猪おどし
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意味・由来

「猪おどし(ししおどし)」は、竹筒に引いた水を注ぎ、水が満ちるとその重みで傾いて水を落とし、軽くなって元に戻る際に竹の尻が台石を打って「コーン」「カタン」と快い音を響かせる仕掛けのことです。別名「添水(そうず)」や「鹿威(ししおどし)」とも呼ばれます。もともとは実りの秋に田畑を荒らす猪や鹿、鳥などを音で威嚇して追い払うための農具でしたが、その澄んだ響きが醸し出す風情から、寺院や日本庭園の風流な庭具として親しまれるようになり、秋の季語として定着しました。

この季語で詠むコツ

猪おどしを詠む最大のポイントは、「音そのもの」を描くだけでなく、「音が鳴り響いた前後の静けさ」や「空間の広がり」を意識することです。澄み渡る秋の空気の中で響く乾いた一打は、かえって周囲の静寂や寂寥感を際立たせます。また、水の流れや竹の瑞々しさ、寺院の庭の苔や山影といった視覚的な要素と組み合わせることで、深まる秋の情緒を立体的に表現できます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・静寂を表す言葉(静けさ、しじま、静まりぬ、澄む) ・場所や空間を表す言葉(山寺、庵、苔、庭、竹林、山峡) ・時間や光を表す言葉(夕暮、月影、夜半、秋日、日暮れ) ・水や自然の動き(水音、風、落ち葉)

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