新胡麻

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しんごま

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意味・由来

「新胡麻(しんごま)」とは、その年の秋に収穫されたばかりの新しい胡麻(ゴマ)のことです。胡麻は夏に淡い紫や白色の花を咲かせ、秋になると莢(さや)が実って熟します。収穫したばかりの新胡麻は粒がふっくらとみずみずしく、油分や風味が非常に豊かです。軽く焙烙(ほうろく)やフライパンで炒ると、パチパチとはじける軽快な音とともに、香ばしく濃厚な芳香が一気に立ち上ります。素朴ながらも実りの秋の豊かさと、どこか懐かしい生活の温もりを感じさせる秋の季語です。

この季語で詠むコツ

胡麻を詠む際は、視覚だけでなく「嗅覚」「聴覚」「味覚」といった五感をフルに使って表現するのが大きなポイントです。炒るときの香ばしい匂いや、はじける音、すり鉢とすり木で擂(す)る感触などを捉えると、生き生きとした句になります。また、日々の炊事や夕餉(ゆうげ)の支度、家族団らんの風景など、生活感のある情景と取り合わせることで、秋の深まりと家庭の温かさをしみじみと描き出すことができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 調理の道具・動作:焙烙(ほうろく)、すり鉢、すり木、炒る、擂る(する)、こぼる
  • 感覚を表す言葉:香ばし、匂ふ、パチパチ、芳気、温もり
  • 生活・時間帯の情景:夕餉、厨(くりや・台所)、夕明り、母の手、母屋

新胡麻」の俳句例 (3件)

新胡麻や焙烙あかくなりにけり
松尾芭蕉【現代語訳】今年採れた新胡麻を炒ろうと火にかけると、素焼きの焙烙が赤々と熱を帯びてきたことだよ。 【鑑賞】新胡麻を炒る素朴な日常のひとコマを捉えた句です。「焙烙あかく」という視覚的な熱の描写によって、これから立ち上るであろう胡麻の香ばしい匂いや、秋の台所の温かみが鮮やかに引き出されています。
新胡麻を炒るや厨の夕明り
水原秋桜子【現代語訳】台所に差し込む夕暮れ時の淡い光の中で、新胡麻を香ばしく炒っている。 【鑑賞】秋の暮れ方の静かな光(夕明り)と、炒りたての新胡麻の芳香が絶妙に響き合っています。家庭的でありながらどこか気品のある、落ち着いた秋の情景を描いた秀句です。
新胡麻の香にむせびたる夕かな
寺田寅彦【現代語訳】新胡麻のあまりにも濃厚で香ばしい匂いに、思わずむせるほどであった夕暮れであることよ。 【鑑賞】新胡麻を炒ったり擂ったりした瞬間に立ち上る強烈な香りを「むせびたる」と実感豊かに表現しています。五感を刺激する秋の実りの力強さと、郷愁を誘う夕方の雰囲気が見事に重なっています。

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