芎藭

芎藭

せんきゅう

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意味・由来

芎藭(せんきゅう、「川芎」とも書きます)は、セリ科の多年草で、古くから重要な薬用植物として親しまれてきた秋の季語です。中国原産で、肥大した根茎を生薬として乾燥させ、鎮痛や血行促進、冷え性などの妙薬として重宝されてきました。秋になると、セリ科特有の繊細で小さな白い花を傘状に群がり咲かせます。季語としては、薬草としての人の営みや独特の強い芳香、あるいは秋風に揺れる楚々とした白い小花の風情を表現する際に用いられます。

この季語で詠むコツ

芎藭を詠む際は、「嗅覚(生薬特有のどこか懐かしく強い薬香)」と「視覚(レースのように控えめで細やかな白い花)」のどちらに焦点を当てるかを意識すると句がまとまりやすくなります。単なる植物描写にとどまらず、薬園の静けさや乾物としての風情、秋風の冷涼感と取り合わせることで、生活の陰影やしみじみとした情感を醸し出すことができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 香り・感覚:香(か)、匂ひ、ほのか、夕風、日ざし、乾く
  • 情景・場所:薬園(薬草園)、草庵、山里、庭隅、土の香
  • 植物の様子:白し、こまやか、散る、かすか、葉擦れ

芎藭」の俳句例 (3件)

川芎の花の白さのあらはるる
清崎敏彦【現代語訳】草むらの中に、川芎の控えめで清楚な白い花がくっきりと見えてきた。 【鑑賞】派手さのない芎藭の花が、ふとした光の加減や秋風の揺らぎによって鮮やかに白さを際立たせる一瞬を写生した端正な一句です。
川芎の香や秋風の草の庵
正岡子規【現代語訳】秋風が吹き抜ける質素な草庵に、どこからともなく川芎の薬の香りが漂ってくることだ。 【鑑賞】病床にあった子規にとって、薬草の香りは日常そのものでした。秋風の澄んだ冷たさと芎藭の強い芳香が交錯し、静寂の中に生きる作者の切実で澄明な境涯が伝わってきます。
川芎の花こまやかに暮れにけり
山口青邨【現代語訳】川芎の細やかな白い花が咲く庭に、静かに秋の夕暮れが訪れた。 【鑑賞】セリ科特有の細かな白い集合花が、夕暮れの光の中でほのかに浮かび上がっては闇に溶けていく様子を繊細に捉えています。秋の日の短さと物静かな佇まいが巧みに描かれています。

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