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季語辞典
清崎敏彦
俳
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清崎敏彦
きよさきとしひこ
作風・特徴
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代表句 (8件)
黒皮を炙る煙の細かりし
季語: 黒皮茸 (autumn)
『【現代語訳】黒皮茸を炭火で炙っていると、立ちのぼる煙が細く静かに揺れていた。【鑑賞】静けさに包まれた山中や夕餉のひとときを「細き煙」という視覚的描写で切り取っています。茸がじっくりと焼ける時間と、しみじみとした大人の秋の風情が伝わります。』
山茱萸の実の照るなかに佇ちつくす
季語: 山茱萸の実 (autumn)
『【現代語訳】秋の陽光に山茱萸の実がきらきらと輝くそのただ中で、私は我を忘れて立ち尽くしている。 【鑑賞】秋の日差しを浴びてルビーのように輝く山茱萸の群れに圧倒され、ただ静かに佇む作者の姿を描いています。美しい秋の光景に包まれ、心が自然と一体になるような深い余韻を残す名句です。』
三七の花の黄に立つ日影かな
季語: 三七の花 (autumn)
『【現代語訳】三七の黄色い花に、柔らかな秋の日差しが当たっている。 【鑑賞】鮮やかすぎない渋みのある黄色の花と、傾き始めた秋の光の対比がしみじみとした情感を醸し出しています。』
石見鶺鴒水光ひかる磧かな
季語: 石見鶺鴒 (autumn)
『【現代語訳】石見鶺鴒がいる川原は、澄んだ秋の水がキラキラと光を反射して美しいことだ。【鑑賞】秋の川原の明るい水光と、そこに佇む石見鶺鴒のコントラストが印象的です。小鳥の動きと水の輝きが調和した清々しい名句です。』
榎茸束ねし紙を濡らしけり
季語: 榎茸 (autumn)
『【現代語訳】榎茸をきゅっと束ねてあった巻き紙が、キノコの水分でしっとりと濡れてしまった。 【鑑賞】市販の榎茸に巻かれている小さな帯紙が湿っていくという、極めて具体的で身近な瞬間を切り取っています。日常のこまやかな観察から季節の瑞々しさを掬い取った名句です。』
千振咲く日あたりのよき墓どころ
季語: 千振 (autumn)
『【現代語訳】千振の花が咲いている、あたたかな日差しの注ぐ墓地であることよ。\n【鑑賞】山裾などにある明るく開けた墓所に、星のような千振の白い小花が咲いている情景です。死者を祀る場所でありながら陰鬱さはなく、薬草でもある千振の花が日差しを浴びて咲く姿によって、静かで温かな安らぎと祈りの空間が生み出されています。』
霜降の土の匂ひの朝かな
季語: 霜降 (autumn)
『【現代語訳】霜降の朝を迎えた。庭や畑の土が冷え込み、独特の湿り気を含んだ土の匂いが立ちのぼる朝であることよ。【鑑賞】冷気が大地に降り注ぐ霜降の朝、嗅覚を通して晩秋の深まりを実感しています。静かで落ち着いた季節の気配が素直に表現されています。』
川芎の花の白さのあらはるる
季語: 芎藭 (autumn)
『【現代語訳】草むらの中に、川芎の控えめで清楚な白い花がくっきりと見えてきた。 【鑑賞】派手さのない芎藭の花が、ふとした光の加減や秋風の揺らぎによって鮮やかに白さを際立たせる一瞬を写生した端正な一句です。』
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