甘蔗

甘蔗

さとうきび

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意味・由来

甘蔗(さとうきび)は、熱帯・亜熱帯原産のイネ科の大型多年草で、砂糖の原料となる植物です。日本では沖縄や奄美群島などの南西諸島を中心に広く栽培されています。秋になると茎が太く高く成長し、晩秋には銀白色の美しい花穂(すう)を風になびかせます。南国の強い日差しを浴びて青空へと伸びる力強い姿や、独特の甘い香りが秋の季節感として親しまれ、俳句では秋の季語となっています。

この季語で詠むコツ

南国特有の風土や光景、あるいは五感に響く特徴を捉えるのがポイントです。背高く茂る甘蔗畑に吹き抜ける「ざわめき」や「葉擦れの音」、茎を噛んだときに広がる素朴な甘味、収穫(甘蔗刈り)の労働の厳しさや活気など、視覚だけでなく聴覚や味覚を意識して描写すると、情景が鮮やかに立ち上がります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 風・音:潮風、葉擦れ、ざわめき、乾く音
  • 地形・自然:青空、南溟(なんめい)、島影、赤土、夕日
  • 動作・五感:噛む、刈る、甘し、陽光、影

甘蔗」の俳句例 (3件)

甘蔗噛んで南溟の浪見て居りぬ
高浜虚子【現代語訳】さとうきびを噛みながら、広大な南の海の打ち寄せる波を眺めている。【鑑賞】南国のゆったりとした時間の中で、甘蔗の甘さを味わいつつ雄大な南溟の海を眺める作者の姿が描かれています。五感(味覚と視覚)が見事に調和した、旅情あふれる名句です。
甘蔗畑深く入れば風失す
安住敦【現代語訳】さとうきび畑の奥深くへと分け入ると、吹いていた風がふっと途絶えた。【鑑賞】人の背丈をはるかに越えて密集する甘蔗畑の鬱蒼としたスケール感を捉えています。外では風が吹いていても、畑の深みに入ると一転して静寂と熱気配に包まれるという、現地ならではの身体的実感を鋭く詠んでいます。
甘蔗刈る音の乾きて島日和
飴山實【現代語訳】さとうきびを刈り取る音がからりと乾いて響き、島特有の素晴らしい晴天が広がっている。【鑑賞】甘蔗を刈る小気味よい音から、南国のからりとした晴天(島日和)の明るさと心地よさを鮮やかに表現しています。聴覚から島の爽快な気候へと広がる描写が秀逸です。

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