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飴山實

あめやまみのる

作風・特徴

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代表句 (6件)

黒皮の苦きを噛めば山恋し
季語: 黒皮茸 (autumn)
【現代語訳】黒皮茸独特のほろ苦い味を噛みしめていると、かつて歩いた山の情景が懐かしく思い出される。【鑑賞】黒皮茸特有のほろ苦さを味覚を通して受け止め、そこから山への郷愁へと情を広げた味わい深い句です。酒を傾けながら秋の恵みを愛しむ心情がにじみ出ています。
小鰭鮨喰ひて仕舞の一合を
季語: 小鰭鮨 (autumn)
【現代語訳】小鰭の鮨をつまみながら、今夜の締めくくりとして最後の一合の酒を飲み干す。 【鑑賞】酢で締められた小鰭のきりりとした旨味と、酒の相性の良さを味わい尽くす大人の情趣が漂います。「仕舞の一合」という言葉に、一日の終わりを静かに慈しむ落ち着いた満足感がにじみ出ています。
甘蔗刈る音の乾きて島日和
季語: 甘蔗 (autumn)
【現代語訳】さとうきびを刈り取る音がからりと乾いて響き、島特有の素晴らしい晴天が広がっている。【鑑賞】甘蔗を刈る小気味よい音から、南国のからりとした晴天(島日和)の明るさと心地よさを鮮やかに表現しています。聴覚から島の爽快な気候へと広がる描写が秀逸です。
干椎茸風の山門あけ放ち
季語: 椎茸干す (autumn)
【現代語訳】山寺の門をいっぱいに開け放ち、秋風を通しながら椎茸を天日に干していることだ。 【鑑賞】山寺の静けさと秋の爽やかな風が感じられる一句です。開け放たれた山門から吹き抜ける風と、そこで乾かされる椎茸の香りが、深まる秋の山中の清々しい空気を鮮やかに描き出しています。
千振引く草山を風吹きのぼる
季語: 千振引く (autumn)
【現代語訳】千振を引き抜いている草山を、冷ややかな秋風が下から吹き上がってくる。 【鑑賞】晩秋の開けた山肌で千振を黙々と引く人物の足元から、谷風が吹き抜けていく情景を描いています。「吹きのぼる」という動的な描写により、山の斜面の広がりと晩秋の澄み切った冷気が肌感覚として読者に伝わってくる名句です。
頳桐の燃えてつめたき海へ坂
季語: 頳桐の花 (autumn)
【現代語訳】頳桐の花が燃え盛るように咲き誇るその向こうに、冷たい気配をたたえた海へと下っていく坂道が続いている。【鑑賞】頳桐の放つ情熱的な朱赤の「熱」と、秋の訪れを告げる海の「冷たさ」という鮮烈な対比が効いています。色彩と体感温度の落差によって、深まりゆく秋の情感を巧みに捉えた名句です。