笹きり

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意味・由来\n「笹きり(ササキリ)」は、バッタ目キリギリス科の昆虫で、秋の季語です。名前に「笹」とある通り、主に笹やススキ、イネ科の植物が生い茂る草むらや藪に生息しています。体長は1.5センチ前後と小柄で、鮮やかな緑色(あるいは黒褐色)の体と、体長よりもはるかに長い触角(髭)が特徴です。秋の昼間から夕方にかけて、「ジリジリジリ……」「スルスルスル……」と非常に細く繊細な声で鳴きます。\n\n### この季語で詠むコツ\nコオロギや鈴虫などの夜に響く派手な虫時雨と異なり、笹きりは「昼間の静けさ」や「草むらの微小な気配」を詠むのに適しています。耳を澄まさなければ聞き逃してしまうような細い鳴き声や、長く繊細な触角の動き、笹の葉と同化した姿など、近景の繊細な観察・描写を意識すると情景が鮮やかに立ち上がります。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 植物・自然:笹の葉、木漏れ日、秋の昼、露、藪、薄(すすき)\n- 感覚・状態:かすか、微か(かすか)、かすり傷、ひそやか、日ざし、静寂、触角(髭)

笹きり」の俳句例 (3件)

笹きりの髭ふるはせてゐたりけり
山口青邨【現代語訳】ササキリがその長く細い触角をかすかに震わせていることだ。\n【鑑賞】ササキリの最大の特徴である繊細な「髭(触角)」に焦点を絞った写生句です。草陰でひっそりと生きる小さな命の微細な動きを捉えることで、周囲の静けさと秋の深まりを際立たせています。
笹きりの翅に日ざしの通りけり
能村登四郎【現代語訳】ササキリの薄い翅(はね)を、秋の柔らかな日ざしが透き通っていく。\n【鑑賞】笹の葉陰にいるササキリの小さな体に、秋の光が差し込む瞬間を美しく捉えています。透明感のある描写によって、秋の穏やかな日差しと涼やかな空気感が瑞々しく表現されています。
笹きりの髭のあはあはしきひるま
長谷川素逝【現代語訳】ササキリの触角のかすかな揺らめきが感じられる、静かな昼間であることよ。\n【鑑賞】「あはあはし」は、淡く頼りなげな様子や微かな気配を表します。秋の昼下がりの物静かな時間の中で、かすかに動くササキリの髭に目を留めた、詩情あふれる静寂の句です。

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