王子権現祭

王子権現祭

おうじごんげんさい

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意味・由来

「王子権現祭(おうじごんげんさい)」は、東京都北区王子に鎮座する王子神社(旧称・王子権現)で、秋に行われる例祭を指す季語です。江戸時代には徳川将軍家の祈願所として庇護を受け、江戸近郊の秋の大祭として町人たちで大変な賑わいを見せました。 祭礼で奉納される「王子田楽(田楽舞)」は、魔除けの舞として古くから知られ、東京都の無形民俗文化財にも指定されています。秋風が吹き始める頃、神輿の渡御や優雅な田楽舞の笛や太鼓の音が響く情景は、江戸・東京の秋の訪れを告げる風物詩として定着しています。

この季語で詠むコツ

祭りの持つ「熱気や喧騒」と、秋ならではの「夕暮れの涼気や澄んだ空気感」という二面性を意識して詠むのがポイントです。神輿が過ぎ去った後の静寂や、境内に響く田楽の笛の音、周囲の飛鳥山や音無川(石神井川)の自然美と響き合わせることで、江戸情緒と季節の移ろいを深く表現することができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 神事・情景:田楽舞、祭笛、神輿、夕鳥居、境内、石段
  • 自然・季節感:秋風、秋の暮、飛鳥山、夕暮れ、夕月、澄む
  • 人・風情:群集、浴衣、門前町、子どもの声

王子権現祭」の俳句例 (3件)

神輿行過て秋の暮なる王子かな
榎本其角【現代語訳】神輿の行列が通り過ぎていき、あたりにはふっと静けさと秋の夕暮れの寂しさが漂う王子権現であることよ。 【鑑賞】祭りの最高潮である神輿の渡御が終わり、急に訪れた秋の夕暮れの寂寥感を対比させた其角らしい江戸情緒豊かな一句です。
飛鳥山見馴れて王子祭かな
正岡子規【現代語訳】普段から見慣れている飛鳥山の景色であるが、今日は王子権現の祭礼の日なのだなあと感慨深く思う。 【鑑賞】春の桜の名所として名高い飛鳥山を背景に、秋の王子祭を迎えた門前や境内の華やぎを、日常と非日常の交錯として捉えた一句です。
王子祭やがて田楽すむ日影
渡辺水巴【現代語訳】王子祭の境内で、奉納されている田楽舞が間もなく終わろうとする頃、秋の夕日が静かに差し込んでいる。 【鑑賞】古式ゆかしい田楽舞の終わりと、秋の日の傾き(日影)を重ね合わせ、祭りの余韻と季節の静けさを繊細に描き出しています。

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