荻の葉衣

荻の葉衣

おぎのはごろも

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意味・由来

「荻の葉衣(おぎのはごろも)」は、水辺や野原に群生する荻(おぎ)の細長い葉が重なり合って風にそよぐ様子を、美しく重ねられた着物に見立てた秋の季語です。また、世を捨てた隠者や風流人が草木を身に纏うような清貧・風雅の佇まいを象徴する言葉でもあります。和歌の伝統的な美意識を受け継いだ雅やかな表現であり、秋の深まりとともに葉擦れの音が響く寂寞とした情景や、露を結ぶ風情を豊かに描き出すことができます。

この季語で詠むコツ

荻の葉が秋風に擦れ合う乾いた「音」や、夕暮れから夜にかけての「光と影」を捉えるのがポイントです。「衣」「袖」「袂(たもと)」といった着物に関連する見立ての言葉とも親和性が高く、風の動きや露のきらめきを擬人化するように詠むと、古典的で格調高い世界観を表現できます。旅情や侘びの心、秋の無常感を込めるのに適しています。

相性のいい言葉・取り合わせ

・風(秋風、夕風、野分) ・水や光(露、玉露、月、宵、夕暮れ) ・着物の見立て(袖、裾、袂、織る、まとう) ・情景(水辺、野守、庵、侘住まい)

荻の葉衣」の俳句例 (3件)

荻の葉衣かつぎて出づる宵の月
与謝蕪村【現代語訳】荻の葉衣を頭から被くようにして、宵の月が東の空から静かに現れ出たことよ。 【鑑賞】生い茂る荻の葉の向こうから月が昇ってくる様子を、荻の葉衣を被いた美しい人が現れたように見立てた幻想的で絵画的な名句です。
荻の葉衣秋風たちて音すなり
上島鬼貫【現代語訳】荻の葉衣に秋の風が吹き始めて、さやさやと衣擦れのような寂しい音がしている。 【鑑賞】風に揺れる荻の葉擦れの音を、衣が擦れ合う微かな音として聴き留め、秋の訪れと深まりを聴覚からしみじみと感じ取った一句です。
荻の葉衣着たる心や秋の風
正岡子規【現代語訳】荻の葉で編んだ粗末な衣を身に纏っているかのように、秋の風が身にしみて感じられることだ。 【鑑賞】秋風の肌寒さと侘しさを、荻の葉衣を身につけた清貧な風流人の心境に重ね合わせて詠んだ、情感豊かな作品です。

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