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「野葡萄(のぶどう)」は、秋に山野の藪や林の縁などで見られるブドウ科の蔓性落葉低木の実を指す季語です。栽培される葡萄とは異なり食用には向きませんが、秋になると直径数ミリから1センチほどの丸い実を房状につけます。この実は緑白色から淡い紫、青、そして深い瑠璃色へと、一房のなかでも一粒ずつ多彩に移り変わるのが大きな特徴です。その宝石のような神秘的で繊細な色彩の美しさから、古くから秋の風情を伝える草木として親しまれてきました。
野葡萄を詠む際は、何といってもその「独特な色彩の変化」や「粒の小ささ・野趣」に注目するのが効果的です。同じ房に紫や青、碧など異なる色が混ざり合う様子を写生することで、秋の深まりや自然の繊細な営みを表現できます。また、人里離れた藪や峠道、古い垣根などに絡みつく蔓のたくましさと、実の可憐さの対比を描くと、奥行きのある情景になります。
野葡萄は素朴で寂びた風情を持つため、山の自然や秋の光、天候を描く言葉とよく調和します。 ・色や質感を表す言葉:瑠璃(るり)、藍、碧、紫、つぶら、まだら ・場所や環境を表す言葉:峠、藪、崖、雑木林、古垣、山路 ・季節や情景を表す言葉:秋風、秋気、日暮れ、山雨、木洩れ日
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