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虫取菫(むしとりすみれ)は、高山や寒冷地の湿った岩場などに自生するタヌキモ科の食虫植物です。名前に「菫」と付きますが、春に咲く普通のスミレ(スミレ科)とは別の仲間です。初夏から夏にかけて、スミレによく似た淡い紫色の可憐な花を咲かせます。根元に広がる多肉質の葉の表面から粘液を出し、羽虫などを捕らえて消化吸収することからこの名が付けられました。美しく楚々とした佇まいと、虫を捕らえるたくましさという二面性を併せ持っています。
一見すると愛らしい小花でありながら、食虫植物であるという意外性や厳しさを対比させると深みのある句になります。高山の岩肌や霧の中といった、自生する環境の厳しさや清らかさを描写するのも効果的です。春のスミレと混同されないよう、岩を伝う清水や夏の冷涼な空気感、葉の上で光る粘液や小虫の姿などに焦点を当てて詠み込むと、この植物特有の魅力が引き立ちます。
・岩肌(いわはだ) ・雫(しずく) ・霧(きり) ・渓谷(けいこく) ・淡紫(うすむらさき) ・羽(はね)