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「芭蕉若葉(ばしょうわかば)」は、初夏に芽吹き、すくすくと育ち広がる芭蕉の瑞々しい新葉を指す夏の季語です。芭蕉はバショウ科の大型多年草で、俳聖・松尾芭蕉が門人から贈られた芭蕉の木を愛し、自らの庵や俳号の名としたことでも広く知られています。初夏を迎えると、中心からくるくると巻いた筒状の新芽が真っ直ぐに伸び出し、やがて光を浴びて柔らかな緑の大葉をいっぱいに広げます。力強くも清新な生命感に満ちた季語です。
芭蕉の葉は人間の背丈を超えるほど大きく育ちますが、若葉のころはまだ風雨に裂かれることもなく、傷のない透き通るような緑色と艶やかな質感が魅力です。巻いた新芽がほどけていく動きや、光を浴びて透き通る葉脈の美しさ、初夏の雨の雫をたっぷりと受け止める大らかな姿などを捉えるとよいでしょう。大きな葉が風にそよぐ音や、庭や庵の静けさといった聴覚的・空間的な広がりを合わせると、より鮮やかな情景が立ち上がります。
・光、日射し、朝風(夏の明るさや風情を捉える語) ・雨雫、水滴(柔らかな葉の上に宿る瑞々しさを表す語) ・ほどく、ひらく、萌え立つ(新芽の勢いを描く動詞) ・庭、土塀、庵、縁先(芭蕉若葉の似合う静かな情景)