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文字摺草(もじずりそう)は、一般に「ネジバナ(捩花)」として親しまれているラン科の多年草です。初夏から夏にかけて、細い花茎のまわりに淡紅色の小さな花が螺旋状にねじれながら咲く姿が特徴です。古今和歌集にある源融の有名な和歌「みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに」に詠まれた、摺り染めの乱れ模様「信夫文字摺」に花のねじれ具合が似ていることから、この優雅な名が付きました。野原や芝生、道端など身近な場所で見かける親しみやすい野草です。
文字摺草を詠む際は、そのユニークな「ねじれ」の造形に注目するのが第一歩です。右巻きもあれば左巻きもあり、螺旋の美しさや規則性を描写すると実感が湧きます。また、芝生や公園、石畳の隙間などにひっそりと、しかし凛と直立して咲く姿を描くのも効果的です。古典的な響きを持つ季語ですので、日常のさりげない光景に重ねて少し風雅な影を落としたり、足元にふと見つけた驚きや愛らしさに焦点を当てたりすると魅力的な一句に仕上がります。
・芝生(しばふ)、野道、畦道、庭石 ・日差し、木漏れ日、青空、雨上がり ・螺旋(らせん)、足元、立ち姿、微風