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「蠛蠓(まくなぎ)」とは、初夏から夏にかけて水辺や木陰、道端などに群がり、柱のように渦を巻いて飛び交う極めて小さな虫(ユスリカやヌカカなど)、あるいはその群れそのものを指す夏の季語です。「目(ま)く刺し」が語源とも言われ、歩いていると顔や目の周りにまとわりついてくる鬱陶しい虫として古くから知られています。難解な漢字表記ですが、夕暮れの帰り道などで誰もが一度は遭遇したことのある、極めて身近で生活感のある季語です。
蠛蠓そのものの姿形を細かく描写するよりも、「払っても払っても付きまとう煩わしさ」や「そこだけ空気が淀んでいるかのような群れの存在感」を捉えるのが成功のコツです。手で払う、小走りに通り過ぎる、目を細めるといった人間のとっさの動作や、自転車で突っ込んでしまったときの困惑など、日常の具体的な行動と取り合わせると実感がこもります。また、夕暮れの斜光に群れが透けて光る様子など、視覚的な明暗を描くのも効果的です。
・動作・仕草:手で払ふ、目を細む、早足、立ち止まる、避ける ・時間・情景:夕暮、土手、木陰、水辺、帰り道、路地、自転車 ・感覚・状態:うすら明かり、まとひつく、鬱陶し、夕風