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「来ぬ秋(こぬあき)」とは、まだ訪れていない秋を指し、夏の盛りの厳しい暑さの中で涼やかな秋の到来を待ち焦がれる気持ちを表す夏の季語です。古典和歌にみられる「待てど来ぬ秋」といった情緒を受け継いでおり、文字面には「秋」と入っていますが、季節は「夏」に分類されます。ただ暑さを嘆くだけでなく、やがて訪れる季節の気配を先取りして恋しがる、日本人の繊細な美意識が込められた言葉です。
現在の過酷な暑さと、まだ見ぬ秋の爽やかさという対比を意識して詠むのがポイントです。たとえば、じりじりと照りつける日差しの中や、熱気が残る夕暮れ時に、ふと吹いた一筋の風に秋を想うといった場面を切り取ると実感がこもります。また、「暑くてたまらない」と直接書くのではなく、涼しさを求める動作や風景を描写することで、「来ぬ秋」の風情がより引き立ちます。
・風、夕風(夕暮れのわずかな涼しさを感じさせる言葉) ・日暮れ、空(夏空を見上げて秋を思う情景) ・団扇(うちわ)、すだれ(夏の暮らしの中で涼を待つ道具) ・待つ、祈る、仰ぐ(遠い涼しさを心待ちにする心情を表す動作)