凶作
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凶作

きょうさく

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意味・由来

「凶作(きょうさく)」は秋の季語で、天候不順や病害虫などによって農作物の収穫量が例年に比べて著しく少ないことを指します。特に稲作の凶作は、古来より人々の生存や生活に直結する深刻な事態であり、秋の豊かな実りを祝う喜びとは対極にある痛切な季語として詠まれてきました。現代においても、自然の脅威や人間の力の及ばなさを象徴する重厚な情念を秘めた言葉として、深く句に詠み込まれます。

この季語で詠むコツ

「凶作」は悲哀や重苦しさが前面に出やすい季語です。ただ苦しさを直接訴えるのではなく、客観的で具体的な情景を描写することで表現に深みが出ます。実りの薄い痩せ穂、冷たく降り続く秋の雨、静まり返った村の空気など、視覚や感覚に訴える要素を配置しましょう。また、悲嘆に暮れるだけでなく、運命を受け入れて静かに暮らす農民の逞しさや無言の佇まいに光を当てるのも味わい深いアプローチです。

相性のいい言葉・取り合わせ

・自然・光景:痩せ穂、冷雨、村落、夕日、野分、日陰 ・動作・状態:静もり、佇む、黙す、耐へる、かそけし

凶作」の俳句例 (3件)

凶作の村の静かさ夜の月
西島麦南【現代語訳】凶作となった村はひっそりと静まり返っており、秋の澄んだ夜月がただむなしく照らしている。 【鑑賞】収穫の喜びに沸くことのない村の夜を、澄み渡る月光が照らす情景です。人間の悲哀や無力感とは無関係に冴え渡る月の美しさが、かえって村の静けさと失望の深さを際立たせています。
凶作の噂たかまる冷雨かな
渡辺水巴【現代語訳】凶作になるのではないかという不穏な噂が高まる中、冷たい秋の雨がしとしとと降り続いていることだ。 【鑑賞】冷たい雨が降り続く実際の情景と、農村に広がる凶作への不安な心理が見事に重なり合っています。天候不順が人々の心に落とす暗い影を「冷雨」という季語の質感を通して鮮やかに表現した一句です。
凶作の村のしづけさ稲を刈る
前田普羅【現代語訳】凶作に見舞われた村は重苦しい静けさに包まれており、その中で人々は静かに少ない稲を刈っている。 【鑑賞】例年なら収穫の活気に満ちているはずの秋の田で、黙々と刈取りを行う農民たちの姿を描いています。「しづけさ」という言葉が、落胆の深さと同時に、自然の厳しさを黙って受け入れる人々の静かな逞しさを強調しています。

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