木の葉衣
autumn 植物

木の葉衣

このはごろも

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意味・由来

「木の葉衣(このはごろも)」とは、落ち葉や木の葉をつづり合わせて作った衣服のことです。古代中国の仙人や、深山に隠遁した高僧・隠者が身にまとったとされる伝説的な装束に由来します。俳諧においては、実際に木の葉で作った服を指すだけでなく、晩秋の山中などで体に降りかかる落ち葉を衣服に見立てたり、世俗を離れて暮らす人の清貧で風雅な暮らしぶり、あるいはそうした隠者への憧れを象徴する雅趣あふれる季語として親しまれています。

この季語で詠むコツ

「木の葉衣」は物語性や幻想味を帯びた言葉です。単なる情景描写にとどまらず、深山の静寂や、わび・さびの情緒、冬を間近に控えた晩秋の孤独感を漂わせると効果的です。山寺、隠れ家、落ち葉が降りしきる様子、肌を刺すような冷たい雨や風などと響き合わせることで、詩的な深みがぐっと増します。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 自然・天候:時雨(しぐれ)、初霜、木枯らし、松の露、夕暮れ
  • 場所・道具:山寺、柴の庵、苔の庭、針、糸、竹杖
  • 心情・風情:隠遁(いんとん)、閑寂、ひとり、染まる、縫ふ

木の葉衣」の俳句例 (3件)

木の葉衣ぬふべき針や松の露
宝井其角【現代語訳】落ち葉をつなぎ合わせて木の葉衣を縫うための針だろうか、松葉の先にきらりと光る露は。 【鑑賞】松の葉を「針」、そこに宿る露を「針の穴を通る糸や露の輝き」に見立てた、其角らしい洒脱で知的な見立ての句です。落ち葉の降り敷く晩秋の風情に、仙境のような幻想的な美しさを重ねています。
木葉衣縫はん針なき時雨かな
三宅嘯山【現代語訳】降り積もる落ち葉で木の葉衣を縫い合わせたいと思うが、針もないままに冷たい時雨が降っていることだ。 【鑑賞】降りかかる落ち葉を衣に仕立てて寒さを凌ぎたいのに、縫う針さえ持たない山住まいの孤独とわびしさを、冷たく降る時雨とともに詠み上げています。江戸中期の文人趣味とさびの情緒が深く調和した名句です。
山法師木の葉衣の時雨哉
水田正秀【現代語訳】比叡山の山法師が、まるで降りかかる落ち葉を衣としたかのような姿で、晩秋の時雨の中を歩んでいる。 【鑑賞】墨染の衣をまとった僧に色とりどりの落葉が降りかかり、時雨に濡れている情景を描いています。山僧の無骨でストイックな佇まいと、色褪せゆく秋の美しさが対比された、絵画的な趣のある一句です。

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