小町踊
autumn 生活

小町踊

こまちおどり

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意味・由来

「小町踊(こまちおどり)」は、秋(旧暦の七夕や地蔵盆の時期)に行われる伝統的な踊りです。江戸時代、京都や大坂を中心に流行したもので、少女たちが美しい衣装に身を包み、小町髪(少女の髪型の一つ)に結って、おしろいや紅で化粧をして街を踊り歩きました。この名称は、平安時代の美人の代名詞である「小野小町」に由来し、少女たちが小町のように美しく育つことを願う意味も込められていました。現代でも京都の七夕などでその愛らしい姿を見ることができます。

この季語で詠むコツ

少女たちの無邪気で可愛らしい様子や、普段とは異なる華やかな装い、おしろいを塗った少し大人びた表情などを瑞々しく描写するのがポイントです。また、初秋の涼やかな夕風や、夕暮れ時の淡い光などを背景に添えることで、少女たちの愛らしさの中に、どこか過ぎ去りゆく季節の儚さや伝統行事の情緒を漂わせることができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 装いや化粧に関する言葉: 「おしろい」「紅(べに)」「かんざし」「袂(たもと)」「花笠」
  • 音や動作: 「下駄の音」「手拍子」「唄声」「夕風にゆれる」「あどけなき」
  • 季節や時間の言葉: 「夕涼み」「初秋の月」「ともしび」「星月夜」

小町踊」の俳句例 (3件)

小町踊をちこちの道ふさがりぬ
与謝蕪村【現代語訳】あちらこちらの道という道が、小町踊りを見物する人々や踊り手の少女たちでいっぱいになり、通り抜けられないほど賑わっていることだ。【鑑賞】江戸時代の京都や大坂で大流行した小町踊の熱気と大混雑を活写した句です。「をちこち(あちこち)」の道が塞がってしまうという誇張交じりの表現から、町全体が華やかで楽しげな祝祭空間に包まれている様子が生き生きと伝わってきます。
小町をどりに紅はかせたる親心
炭太祇【現代語訳】小町踊に出かける愛娘のために、口元に紅を塗ってあげる。その親の愛おしく思う心遣いが温かい。【鑑賞】普段はあどけない我が子が、小町踊という晴れの舞台のために特別な化粧を施してもらう場面です。親が我が子の健やかな成長を喜び、少しでも美しく見せてやりたいと願う細やかな愛情(親心)が、「紅はかせたる」という具体的な動作に凝縮されています。
一里来て又一里ゆく小町をどり
高井几董【現代語訳】一里歩いてきたと思えば、また次の一里へと、小町踊の華やかな行列は元気に踊り歩いていく。【鑑賞】蕪村の高弟である几董による、踊り手の少女たちの躍動感に満ちた句です。「一里来て又一里ゆく」というリズミカルな繰り返しによって、少女たちの足取りの軽やかさと、どこまでも続いていく賑やかな行列の楽しげな様子が見事に表現されています。

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