霧の海
autumn 地理

霧の海

きりのうみ

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意味・由来 「霧の海」とは、秋の朝方などに山の上から見下ろした際、盆地や谷に深く立ち込めた霧が、まるで見渡す限りの海のように見える壮大な自然現象を指します。秋の季語として、その神秘的で幻想的な情景を表現するのに適しています。 ### この季語で詠むコツ 霧の海を詠む際は、単に広い霧の景色を描くだけでなく、その中から突き出る山頂や樹木、建物などの「一点」に注目すると、対比によって霧の深さや広がりが際立ちます。また、時間の経過とともに霧が動き、晴れていく動的な変化を捉えるのも効果的です。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ ・「一峰(いっぽう)」「一樹(いちじゅ)」「塔(とう)」などの垂直な存在を示す言葉 ・「ひらけゆく」「立ちいづる」「晴るる」などの動きを表す動詞 ・「日の出」「鳥の声」「鐘の音」などの光や音を表す言葉

霧の海」の俳句例 (3件)

霧の海にうかべるごとき一峰かな
飯田蛇笏【現代語訳】見渡す限り広がっている霧の海の中に、まるでぽつんと浮かんでいるかのように、一つの峰が聳え立っていることよ。【鑑賞】高い山の上から見下ろした壮大な雲海の景色を詠んだ句です。見渡す限りの白い霧(霧の海)と、そこに毅然と立つ「一峰」の対比が、自然の雄大さと厳かさを引き立てています。
霧の海ひらけゆくとき鳥のこゑ
水原秋桜子【現代語訳】立ち込めていた霧の海が次第に晴れていくとき、どこからか美しい鳥の鳴き声が聞こえてきた。【鑑賞】夜明けとともに霧の海が動き、視界が広がっていく劇的な瞬間を捉えています。白く静寂に包まれた世界に、鳥の声という「音」が響くことで、山の生命力が鮮やかに描き出されています。
霧の海より立ちいづるもののなかに塔
大野林火【現代語訳】見渡す限りの霧の海から、様々なものが徐々に姿を現すなかで、ひときわ高く塔が立ち現れてきた。【鑑賞】霧が薄れていく過程で、周囲の風景が少しずつ見えてくる様子を表現しています。数ある出現物の中でも、垂直に聳える「塔」の存在感が際立ち、神秘的な美しさを醸し出しています。

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