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「霧襖(きりぶすま)」とは、深く立ち込めた濃い霧が、まるで四方に襖(ふすま)を立て巡らせたかのように視界を完全に遮っている情景を指す秋の季語です。「霧」という自然現象に、日本建築の建具である「襖」を見立てた、視覚的かつ風情豊かな造語・見立ての季語です。目の前が白い壁のように閉ざされ、外界と遮断されたような静寂や幽玄さ、あるいは神秘的な孤立感を表現するのに適しています。
霧襖は「閉ざされている状態」そのものを描くだけでなく、風が吹いたり光が射したりして霧が晴れていく「開く」瞬間を描くのにもよく使われます。襖が開くように目の前の霧がさっと切れて、隠れていた山容や水辺、木々の紅葉などが突如として現れる劇的な場面を捉えると、動きとコントラストの効いた一句になります。また、音が吸い込まれるような濃霧の静けさや、冷たい空気の肌触りなど、視覚以外の感覚を重ねるのも効果的です。
・動詞:「ひらく」「とざす」「払ふ」「晴るる」「現る」など ・場所・自然:「嶺(みね)」「湖」「渓谷」「峠」「樹林」「岩壁」など ・感覚・心情:「しじま」「冷気」「白さ」「幽けし」「隠る」など
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