菊の友
autumn 植物

菊の友

きくのとも

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意味・由来 「菊の友(きくのとも)」は秋の季語で、旧暦九月九日の重陽の節句に菊の花を鑑賞し、菊酒を酌み交わしながら風流を楽しむ親しい友人のことを指します。また、転じて共に愛でる菊の花そのものを友に見立てる場合や、菊の節句で酌み交わす酒そのものを指すこともあります。古代中国の故事に由来し、長寿や無病息災を祈りつつ菊の芳香の中で高雅な交友を深めるという、風雅で気品ある文化から生まれた言葉です。 ### この季語で詠むコツ 単に「友人と菊を見た」という賑やかな様子を詠むだけでなく、菊の気品ある香りと共に過ごす静かな時間の尊さや、互いの心を深く分かち合う誠実な友情を描き出すのがポイントです。また、芭蕉のように「菊の花」自体を擬人化し、孤独な自分に寄り添う唯一の友として見立てて詠む表現手法も非常に趣深く効果的です。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ 「酒」「杯(さかずき)」「宴」「酌む」「語らふ」「老い」「静寂」など、重陽の節句や静かな酒宴、味わい深い語らいを連想させる言葉と相性が抜群です。

菊の友」の俳句例 (3件)

菊の友酒の友とはならざりし
松本たかし【現代語訳】菊の美しさを共に楽しんだ高潔な友は、ついに最後までただの酒飲み友達にはならなかった。【鑑賞】菊を通じて結ばれた友との交わりが、どこまでも品格を保ち、俗っぽい関係に落ちることがなかったことへの深い感慨と敬意が込められた名句です。
我に似よや誰もしらじの菊の友
松尾芭蕉【現代語訳】私のような生き方をしてみなさい。誰も私の本当の心を知る者はいないが、この菊の花こそが私の心を知る真の友なのだ。【鑑賞】重陽の節句に寄せた句です。風雅の道を孤独に突き進む芭蕉が、静かに咲く菊の花を心の理解者(菊の友)として見立て、深い孤独感と高潔な誇りを詠み上げています。
菊の友酒の友とは異なりて
山口青邨【現代語訳】菊の風情を共に愛でる風流な友は、ただ賑やかに酒を酌み交わすだけの酒飲み友達とは違うものだ。【鑑賞】「酒の友」と「菊の友」を対比させた一句です。単なる騒がしい宴席の付き合いではなく、菊の気品や季節の移ろいを静かに分かち合える風雅で精神的なつながりの尊さを際立たせています。

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