貴船の狭小神輿
autumn 生活

貴船の狭小神輿

きぶねのささみこし

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意味・由来 「貴船の狭小神輿(きぶねのささみこし)」は、京都市左京区鞍馬貴船町に位置する貴船神社の秋の例祭(貴船祭・毎年10月20日)において巡行する、小ぶりな神輿(笹神輿)を指す秋の季語です。貴船の地は鞍馬の山深くにあり、参道や山道が非常に狭く険しいため、通常の大型神輿を担いで巡行することが困難でした。そのため、険しい山道の地形に合わせて特有の小型な神輿が作られ、「狭小神輿(ささみこし)」や「笹神輿」として受け継がれてきました。紅葉が色づき始める奥京都の豊かな自然の中、威勢良い掛け声とともに小振りの神輿が山道を揉まれる風景は、秋の深まりと地域の力強い信仰を感じさせます。 ### この季語で詠むコツ 「貴船の狭小神輿」は音数も多く存在感の強い季語です。この季語を取り入れる際は、神輿の「小ささ・愛らしさ」と、それを担ぐ「威勢の良さ・熱気」、そして山道の「狭さ」の対比を意識することがポイントです。また、貴船川の清流の音や、杉木立、色づき始めた初紅葉といった静かな山里の景物と取り合わせることで、「動と静」の際立つ魅力的な一句に仕上がります。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ ・風物・自然:貴船川、鞍馬路、杉木立、山峡(やまかい)、清流 ・季節・色彩:初紅葉、秋深し、秋風、山装う ・動作・情景:熱気、揉む、掛け声、狭小(ささ)、行く手

貴船の狭小神輿」の俳句例 (3件)

貴船川笹神輿ゆく紅葉かな
鈴鹿野風呂【現代語訳】貴船川のせせらぎに沿って、小ぶりな笹神輿が練り歩いていく。見上げれば周囲の山々は鮮やかに紅葉していることだ。【鑑賞】清らかな貴船川の流れと、山を彩る紅葉、そして狭い山道を進む笹神輿のコントラストが美しい一句です。京都の奥座敷ならではの静寂と秋祭りの情熱が見事に調和しています。
山峡を笹神輿行く秋の風
阿波野青畝【現代語訳】険しい山あいの道を、小さな笹神輿が威勢よく進んでいく。そこへ吹き渡る秋の風がなんとも心地よい。【鑑賞】山峡という狭小な地形を行く笹神輿の力強い動きと、山道を吹き抜ける爽やかな秋風を過不足なく捉えています。小さくとも活気ある神輿の姿が生き生きと浮かび上がります。
鞍馬路や笹神輿担ぐ夜の秋
水原秋桜子【現代語訳】鞍馬へと続く山道にて、熱気あふれる笹神輿が担がれている。しんと冷える秋の夜気の中で祭りが続いている。【鑑賞】深山の冷涼な夜気と、神輿を担ぐ人々の熱気という対比が鮮やかです。古道「鞍馬路」の歴史と笹神輿の情緒が、深まる秋の夜に響き合っています。

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