貴船菊
autumn 植物

貴船菊

きぶねぎく

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意味・由来

貴船菊(きぶねぎく)は、キンポウゲ科のシュウメイギク(秋明菊)の別名で、秋の季語です。京都の貴船神社周辺に多く自生していたことからこの名で呼ばれるようになりました。「菊」という名がついていますが菊の仲間ではなく、アネモネの近縁種にあたります。花弁に見えるのは萼片で、可憐でありながらも凛とした佇まいが特徴です。京都の奥座敷のしっとりとした情景を思わせる、和の風情に満ちた季語です。

この季語で詠むコツ

貴船菊の持つ「日陰に映える清楚さ」や「和の静けさ」に焦点を当てることがポイントです。強い日差しの中よりも、庭の木陰や石垣の隅、苔の生えたしっとりとした場所などに咲く姿を描くことで、季語本来の魅力が際立ちます。また、室内の床の間や畳の上に活けられた姿を詠み、静寂や端正な空間を表現するのもおすすめです。

相性のいい言葉・取り合わせ

日陰、木漏れ日、苔、石垣、畳、打ち水、古寺、一輪挿し、静寂

貴船菊」の俳句例 (3件)

貴船菊咲くや日陰の濃きところ
原石鼎【現代語訳】貴船菊が咲いている。その咲いている場所は、日陰が殊更濃く感じられるところである。【鑑賞】しっとりとした日陰に咲く貴船菊の白い花と、濃い影との対比が鮮やかな作品です。日陰という静かな空間において、貴船菊の清冽な存在感がより一層引き立っています。
貴船菊活けて影濃き畳かな
富安風生【現代語訳】貴船菊を花瓶に活けたところ、畳の上に落ちるその影が実に濃く感じられることだ。【鑑賞】室内の静けさの中で、床の間や卓上に活けられた貴船菊の端正な立ち姿を描いています。花そのものだけでなく、畳に落ちる「影」の濃さに着目することで、秋の澄んだ光と静寂を表現しています。
貴船菊咲きて水打つ夕べかな
阿部みどり女【現代語訳】貴船菊が咲いており、その傍らに打ち水をする秋の夕暮れ時であることよ。【鑑賞】夕涼みの打ち水によって立ち上る清涼な空気感と、貴船菊の清楚な佇まいが見事に調和しています。一日の終わりを迎えるしっとりとした秋の夕景が生き生きと伝わってきます。

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