風聞草
autumn 植物

風聞草

かぜききぐさ・かざききぐさ

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意味〻由来

「風聞草(かざききぐさ・かぜききぐさ)」とは、秋を代表する植物である「ススキ(薄・尾花)」の非常に雅やかな別名(田名)です。風に吹かれてそよそよと、かつ敏感に苺れ動くその姿から「風の音を聴く草」、あるいは「風の便り(噂)を一身に聞き集める、風をよく聞く草」という意味を込めてこのように名付けられました。古来より和歌や俣諧において、ただのススキとしてではなく、秋の風ぜもたらす向こうの左幕感や、目に見えない風の気配をより情緒的に表現するための言葉として大切にされてきました。

この季語で詠むコツ

「風聞草」という言葉じたいに「風を聴く」、。「噂を聞く」というストーリー性や聴覚けなニュアンスが含まれているため、これを用いるだけで句に知的な羮しさと繊細な情趣が生まれまたはします。単に視覚けにススキが苺れている様子を描くだけでなく、耳をすまして聞こえてくる微かな音、あるいは人の心に去来する予感や目に見えない世間の噂など、。「耳にするもの」も「気配」を重ね合わせることで、この季語の持つ酅力を最大限に引き出すことができます。

相性のいい言葉〻取り合わせ

  • 耳覚を連動させる言葉:「音(おと)」「ささやき」「声」「遠音(とおね)」「耳」
  • 風や大気の動きを表す言葉:「微風(そよかぜ)」「秋風(あきかぜ)」「夕暮れ」「影」「うつろう」
  • 心理や抽象けな言葉:「噂(うわさ)」「秘密」「気配」「ゆくえ」

風聞草」の俳句例 (3件)

風聞草風の行方をきく如し
加舎白雄【現代語訳】風聞草(ススキ)が、まるであちこちへ吹き去る風の行方を聞き取ろうとしているかのように、風に吹かれて揺れていることだ。【鑑賞】白雄によるこの句は、「風聞草」という季語の持つ「風を聴く」という文字通りの意味を素直に、かつ情緒的に捉えた名句です。風の動きに敏感に反応するススキの葉先の揺れを、風の居場所や行方を探っているかのように表現しており、秋の静けさと繊細な自然の息吹が伝わってきます。
風きき草風の吹く日は吹かれけり
小林一茶【現代語訳】風聞草(ススキ)は、風が吹く日にはただその風に吹かれて、あるがままに揺れていることだ。【鑑賞】一茶の若き日の作。風を聞くという名の草でありながら、風が吹けば抵抗することなく、ただ素直に風に身を任せて吹かれている。その無駄な抵抗をしない自然な佇まいに、一茶自身の人生観や、あるがままに生きる尊さを重ね合わせているかのような、素朴で深い味わいがあります。
風きき草風のうはさを沙汰しあふ
小林一茶【現代語訳】たくさんの風聞草(ススキ)が、まるで風の噂話を互いにあれこれと噂し合っているかのように、ざわざわと揺れ合っている。【鑑賞】風を聞く草たちが、風に揺られながら「ざわざわ」と音を立てる様子を、「風の噂を沙汰し合っている(噂し合っている)」と擬人化して表現した非常にユーモラスな一句です。一茶らしい観察眼と、自然界のすべてのものに命と心を見出す優しい視線が感じられます。

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