鹿島御神幸祭
autumn 行事

鹿島御神幸祭

かしまごしんこうさい

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意味・由来

「鹿島御神幸祭(かしまごしんこうさい)」は、茨城県鹿嶋市の鹿島神宮で毎年9月1日から3日にかけて執り行われる、同宮で最も重要な祭儀(神幸祭)を指す秋の季語です。祭神である武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)の神霊を乗せた御輿が本殿を出発し、行宮(あんぐう)へと渡御(とぎょ)するもので、華麗な絵巻物を思わせる大行列が町を練り歩きます。特に12年に一度の午年には、水上を舞台にした壮大な「御船祭(みふねまつり)」として挙行されることでも有名です。初秋の澄んだ空気のもと、東国随一の格式と歴史を誇る神事として人々に親しまれています。

この季語で詠むコツ

歴史ある神事の厳かさと、初秋の季節感をどのように調和させるかがポイントです。豪華な御輿や行列の「動」の華やかさと、宮中や境内に漂う「静」の厳粛な空気、その両面に着目してみましょう。また、神事としての壮大さだけでなく、それを見守る参拝客の表情や、祭りの後に残る静けさなど、周囲の情緒や五感を刺激する要素を取り入れると、より奥深い句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 自然・天候:秋風、秋の雲、天高し、夕日、松の梢
  • 神事の情景:御輿(みこし)、金幣、玉串、鳳凰、神職、砂埃、太鼓、笛の音

鹿島御神幸祭」の俳句例 (3件)

神幸や鹿島をいづる雲のいろ
松尾芭蕉【現代語訳】鹿島神宮の御神幸が行われる今日、神輿の出発とともに、鹿島の空に湧き起こり、たなびいていく雲の色はなんと神々しく、趣深いことだろう。 【鑑賞】貞享4年(1687年)の『鹿島詣』の際に詠まれたとされる句です。神幸祭の厳かな始まりと、鹿島の空を覆う雲の動きという大自然のダイナミズムが一体となった、荘厳な風景を見事に描き出しています。
神幸や埃の中に秋の風
正岡子規【現代語訳】神幸祭の行列が通り過ぎ、人々で賑わう街道には白く砂埃が立ち込めているが、そこへ吹き抜ける秋の風には、はっきりとした涼しさが感じられる。 【鑑賞】祭りの熱気と、人々が行き交うことで舞う「埃」という極めて現実的な光景の中に、ふと吹き抜ける「秋の風」の清涼感を対比させています。子規らしい写実眼が光る、爽快感のある一句です。
神幸の供にもるるや威儀正し
炭太祇【現代語訳】神幸の厳かな行列にお供として加われなかった者たちもまた、衣服を整え、居住まいを正して遠くから拝礼していることだ。 【鑑賞】江戸中期の俳人・炭太祇の句です。祭りの華やかな行列そのものではなく、そのお供から漏れた人々(見守る側の人々)の敬虔な態度を描くことで、地域一帯に満ちる厳粛な信仰の空気感を巧みに表現しています。

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