かる草
autumn 植物

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意味・由来 「かる草(刈草)」は、秋に家畜の冬の飼料や堆肥にするために、野原や堤防の草を刈り取ること、またはその刈り取られた草そのものを指す季語です。かつての日本の農村では、冬支度のための大切な共同作業であり、生活に根ざした秋の風物詩でした。刈りたての草から漂う独特の青臭くも乾いた香りは、秋の深まりを感じさせます。 ### この季語で詠むコツ 刈草を詠む際は、視覚だけでなく「嗅覚」や「触覚」を刺激する表現を意識するのがコツです。刈り取られた草の山から漂う青い匂い、乾燥していくカサカサとした手触り、あるいは刈草が抱くほんのりとした温もりなど、五感を通して秋の空気感を切り取ると、リアリティのある瑞々しい句になります。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ 「匂い」「香る」「温し」「乾く」といった感覚を表す言葉や、「夕日」「野路」「秋風」「茜空」などの秋の情景を表す言葉と相性が良いです。また、「背負う」「積む」などの人の営みを表す動詞と組み合わせることで、温かみのある生活感を表現できます。

かる草」の俳句例 (3件)

刈草の匂ひに暮るる野路かな
正岡子規【現代語訳】刈り取られた草の匂いが辺りに立ち込めるなか、野原の道がだんだんと暮れていくことよ。【鑑賞】夕暮れ時の静寂な野道に、刈草特有の青臭く甘い香りが立ち込めている情景を、嗅覚と視覚を通じて鮮やかに描いた名句です。秋の日の釣瓶落としと呼ばれるような、あっという間に更けていく一日の終わりを、草の匂いという実感を伴って表現しています。
刈草の山あたたかき日和かな
飯田蛇笏【現代語訳】うずたかく積まれた刈草の山が、秋の柔らかな日差しを浴びて、ほんのりと温かそうに見える素晴らしい好天であることよ。【鑑賞】刈り取られて山のように積まれた草は、内部で発酵したり日光を吸収したりして、触ると心地よい温もりを持っています。秋の小春日和の穏やかさと、自然の生命力がもたらす温かさを、刈草の「山」という身近な対象を通して見事に捉えています。
刈草を負うて行く人秋の風
与謝蕪村【現代語訳】刈り取った草を背中にどっさりと背負って歩いていく人がいる。その背後を、物寂しい秋の風が吹き抜けていくことよ。【鑑賞】蕪村らしい絵画的な構図が光る一句です。大きな刈草を背負う人の労働の姿と、それを取り巻く広大な秋の自然、そして吹き抜ける「秋の風」の対比が、一幅の寂寥感ある山水画のような美しさを醸し出しています。

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