枯野の色
autumn 地理

枯野の色

かれののいろ

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意味・由来\n「枯野の色」は、草木が枯れ果てた冬の野原が醸し出す、独特の色彩や風情を指す言葉です。一見すると生命力が失われ、荒涼とした一色の世界に見えますが、そこには薄茶、焦げ茶、黄金色、灰色、そして冬の淡い光が反射する繊細なグラデーションが存在します。侘しさや寂寥感の中に見出される、日本特有の「わび・さび」の美意識を象徴する風情豊かな季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n単に「寂しい」「荒れている」と描写するのではなく、その「色」の微細な変化や、差し込む光との調和に注目するのがコツです。夕暮れ時の茜色に照らされた瞬間や、朝露や霜に濡れて銀色に輝く様子など、時間帯や気象条件による色彩の揺らぎを捉えることで、静寂の中に確かな温かみや深みを生み出すことができます。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・光や影を表す言葉(日差し、夕日、影絵、薄光、黄金、茜、薄日)\n・静寂や余韻を表す言葉(はるか、静まり、心、眼差し、どこまでも)\n・具体的な自然物(風、雲、道、鳥の影、遠山、一筋、足跡)

枯野の色」の俳句例 (3件)

旅に病んで夢は枯野をかけ廻る
松尾芭蕉【現代語訳】旅の途中で病に倒れてしまったが、私の心(夢)は今もなお、荒涼とした枯野を縦横無尽に駆け巡っている。【鑑賞】芭蕉が生涯の最期に詠んだとされるあまりにも有名な辞世の句です。衰えゆく肉体とは対照的に、果てしない枯野を駆け巡る魂の執念と、枯野という寂寞とした風景が持つ精神的な広がりが、見事な緊張感をもって表現されています。
遠山に日の当りたる枯野かな
高浜虚子【現代語訳】手前に広がる枯野はうす暗く寂しげだが、遠くに見える山には冬の暖かな陽光が美しく当たっていることよ。【鑑賞】虚子の「客観写生」の極致を示す名句です。目の前の広大な枯野の暗がりと、遠くの山に当たる明るい日差し。この光と影の鮮やかな対比によって、枯野の持つ寂しさと同時に、どこか救いのある静美な世界がパノラマのように描き出されています。
枯野ゆく人のうしろや枯野ゆく
与謝蕪村【現代語訳】果てしなく広がる枯野の中を、一人の旅人が歩いていく。その背後を追うように、私もまた枯野を歩いていくのだ。【鑑賞】蕪村らしい絵画的な構図が光る一句です。「枯野ゆく」という言葉を繰り返すことで、どこまでも続く荒涼とした大地の広がりと、その中を孤独に進む人間の小ささが際立ちます。まるで一幅の水墨画のような、深い情緒と寂寞感が漂います。

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