樺太河原鶸
autumn 生活

樺太河原鶸

からふとかわらひわ

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意味・由来

「樺太河原鶸(からふとかわらひわ)」は、スズメ目アトリ科に属するカワラヒワの亜種です。主にシベリアや樺太(サハリン)などの寒冷地で繁殖し、秋になると日本、特に北日本や日本海側へと渡ってくる「冬鳥」ですが、俳句ではその渡来の始まりを捉えて「秋」の季語とされています。通常の河原鶸よりもやや体躯が大きく、全体的に灰色を帯びたシックな色合いをしており、羽を広げた際に見える鮮やかな黄色い斑紋が美しい対比を描きます。北の国から寒風とともに運ばれてくる、寂涼とした季節の移ろいを象徴する鳥です。

この季語で詠むコツ

「からふとかわらひわ」という10音もの長い音数を持つ言葉をどのように定型に組み込むかが最大のポイントです。基本的には、上五から中七にかけて「樺太河原鶸(からふとかわらひわ/10音)」と一気に詠み下し、下五で「風の音」「海のいろ」などと取り合わせるのがすっきりまとまります。また、渡り鳥としての「旅の果て」や、寂しげな北の自然、鋭い羽ばたきの瞬間に着目することで、この鳥ならではの野生味と詩情を引き出すことができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 寒冷な自然: 「北風」「鉛雲」「日本海」「時雨(しぐれ)」「荒波」
  • 色彩のコントラスト: 「黄(き)」「灰色」「乾びたる」「ひかり」
  • 動的な表現: 「群るる(むるる)」「一陣」「こぼるる」「梢(こずえ)」

樺太河原鶸」の俳句例 (3件)

かわらひわこぼるゝ杉の梢かな
飯田蛇笏【現代語訳】杉の梢から、河原鶸たちがまるでこぼれ落ちるかのように次々と飛び立っていくことよ。 【鑑賞】「河原鶸」の代表的な名句です(亜種の樺太河原鶸を詠む際にも大いに参考になります)。静まり返った杉林から、黄色い羽をきらめかせながら群れをなして一斉に飛び立つ瞬間を「こぼるる」と表現した描写が見事。静と動のコントラストが極めて鮮やかです。
河原鶸こぼれやすきに風わたる
大野林火【現代語訳】梢に止まっている河原鶸たちは今にもこぼれ落ちそうなほど繊細だが、そこへさっと秋の風が吹き渡っていく。 【鑑賞】風の動きに敏感に反応して飛び立とうとする、河原鶸の軽やかさと一瞬の緊張感を捉えています。乾いた秋風の触感と、鳥たちの細やかな動きが美しく共鳴している一句です。
河原鶸ちちとこぼれて日昏れけり
加藤楸邨【現代語訳】「チチッ」と鋭い声を交わしながら、河原鶸がこぼれるように飛び去り、あたりはすっかり日が暮れてしまった。 【鑑賞】鳥たちの短い鳴き声(ちちと)と、夕暮れの寂寞とした風景が重なり合います。一瞬の羽ばたきが通り過ぎた後に残る、静かで深い秋の夜への移行を抒情的に描き出しています。

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