かま草
autumn 植物

かま草

かまくさ

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意味・由来

「かま草(かまくさ)」は、キンポウゲ科のつる性低木である「ボタンヅル(牡丹蔓)」や「コボタンヅル(小牡丹蔓)」の別名です。秋の初めから半ばにかけて、山野の日当たりのよい林の縁や崖などに自生し、十字形の小さな白い花を無数に咲かせます。その様子はまるで、緑の草木の上に雪がうっすらと降り積もったかのようです。名前の由来は、刈り取り用の「鎌」に絡みつきやすいことから、あるいは細長く尖った葉の形が鎌を連想させることから名付けられたとされています。

この季語で詠むコツ

かま草は、一輪一輪は非常に小さく地味な花ですが、群生して白く咲きこぼれるダイナミックな美しさを持っています。つる草としての性質に着目し、他の樹木や生垣に絡みついて伸びる生命力を詠んだり、秋の風に吹かれて細かく揺れる可憐な姿を写生するのがポイントです。山路や静かな林の中など、背景となる自然の静けさを対比させることで、白さが一層際立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・山野の情景:「山路」「細道」「峠」「崖」「雑木林」 ・花の状態や色彩:「白し」「こぼるる」「咲き満つ」「もつる」 ・自然の気象:「秋風」「露」「薄日」「山雨」

かま草」の俳句例 (3件)

かま草の咲き乱れたる細道かな
高浜虚子【現代語訳】かま草の花が、山奥の細い道の両脇に咲き乱れていることよ。【鑑賞】山歩きの途中で出会った、かま草の群生の美しさを飾らずに素直に写生した一句です。素朴な白い花がこぼれるように咲く様子が、秋の静かで温かみのある山野の情景を浮かび上がらせます。
かま草に雨の降りいづるひかりかな
飯田蛇笏【現代語訳】かま草に雨が降り始めた。その雨粒に濡れて、白く細かい花が放つ光のなんと美しいことか。【鑑賞】降り始めた秋雨がかま草を濡らし、その水分が光を反射してかすかに輝く様子を捉えています。蛇笏らしい重厚で繊細な目線が、雨の中の「ひかり」という一瞬の静謐な美しさに見事に結実しています。
かま草や日に日に白き花の数
山口青邨【現代語訳】かま草が咲いている。日が経つにつれて、その白い花の数がどんどん増えていくことよ。【鑑賞】山野を白く染めてゆくかま草の旺盛な生命力を、花の「白」が増えていくという視覚的な変化を通して捉えた、秋の深まりを感じさせる瑞々しい名句です。

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