筧草
autumn 植物

筧草

かけいぐさ

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意味・由来\n「筧草(かけいぐさ)」とは、山間や庭園などで水を引くために竹や木で作られた「筧(かけい)」の周辺や、筧そのものの割れ目、水が滴る場所に自生する草や苔類を指す秋の季語です。秋になると水量が減り、筧の周囲に生い茂る草や、水に濡れてしっとりと佇む草の姿が、どこか寂しげで風情ある日本の秋の景観を象徴します。水の冷たさや清らかさ、そして秋の訪れによる自然の静けさを表現するのに適した、情緒豊かな季語となっています。\n\n### この季語で詠むコツ\n筧草を詠む際は、単に草の姿を描写するだけでなく、「水との関わり」や「水の音」「水の温度」を意識することが大切です。筧から滴る水、あるいは水が涸れかけた筧に残る草の湿り気など、視覚だけでなく聴覚や触覚を刺激する表現を盛り込むと、より立体感のある句になります。また、寂びた雰囲気や、時の移ろいを感じさせる背景(古寺、山里、庭園など)を合わせることで、さらに深みが増します。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 「水(みず)」「雫(しずく)」「音(おと)」など、水に関連する言葉。\n- 「古寺(ふるでら)」「山里(やまざと)」「庵(いおり)」など、静寂を感じさせる場所。\n- 「露(つゆ)」「冷ややか(ひややか)」「秋風(あきかぜ)」などの秋の気配を表す言葉。

筧草」の俳句例 (3件)

筧草や水なき筧またかなし
飯田蛇笏【現代語訳】筧に生える草がしっとりと茂っているが、肝心の水が流れていない筧の様子は、いっそう物悲しく感じられることだ。\n【鑑賞】水が涸れてしまった筧と、そこに残された筧草の対比を通じて、秋の寂寥感(せきりょうかん)を見事に描き出しています。物寂しさと美しさが同居する蛇笏らしい名句です。
筧草にこぼるる水のひかりかな
臼田亜浪【現代語訳】筧に生い茂る草に向かって、ぽつりぽつりとこぼれ落ちる水滴が、秋の日差しを浴びて美しく光っている。\n【鑑賞】静寂な山里や庭園の中で、水滴の一瞬の輝きを捉えた、清涼感と静けさが同居する美しい一句です。澄んだ秋の空気感が伝わってきます。
筧草露をこぼして水絶えき
水原秋桜子【現代語訳】筧の草が露をこぼすかのように水滴を落としていたが、ついに水が完全に途絶えてしまった。\n【鑑賞】秋の深まりとともに水源が涸れ、水の流れが止まる瞬間を、筧草の濡れた様子を通して繊細に表現しています。自然の移ろいに対する無常観が込められています。

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