鰍突く
autumn 生活

鰍突く

かじかつく

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意味・由来

「鰍突く(かじかつく)」は、秋の夜に川底の石の隙間に潜むカジカ(鰍)という淡水魚を、松明や灯火で照らし出し、「やす」と呼ばれる銛(もり)で突き捕らえる伝統的な川漁を表す季語です。カジカは澄んだ清流に棲む魚で、秋になるとその身が締まり美味しくなります。闇夜に赤々と揺れる松明の火と、冷たい川のせせらぎが、情緒豊かな秋の夜の風景を醸し出します。

この季語で詠むコツ

「火の光」と「夜の闇」、そして「川水の冷たさ」という対比を意識して詠むのがコツです。静まり返った秋の川辺で、一瞬の動きや静寂の深さに焦点を当てることで、臨場感あふれる句になります。漁の道具や川の音などを具体的に描写するのも有効です。

相性のいい言葉・取り合わせ

・光と闇:松明、灯(ともしび)、闇、漆黒、影 ・川の情景:浅瀬、川底、せせらぎ、清流、濡れ石 ・五感の表現:冷ややか、やす(銛)、忍び足、水音

鰍突く」の俳句例 (3件)

鰍突く火のうつくしき余白かな
上田五千石【現代語訳】夜の川で鰍を突くための松明の火。その火に照らされた明るい部分のまわりに広がる、暗闇の空間(余白)が実になんとも美しい。【鑑賞】照らされた主役(火や川面)ではなく、その周囲の無限の闇を「余白」と捉えた近代的な感覚が光る句です。闇の深さと静けさが、火の存在感をより一層引き立てています。
鰍突く火を美しく消しにけり
高浜虚子【現代語訳】鰍突きを終え、夜の川辺を照らしていた松明の火を、川の水などを使って実に見事に、美しく消し止めたことだ。【鑑賞】静まり返った秋の夜、川面を揺らしていた赤々と燃える灯が消された瞬間の、急激に訪れる闇と静寂を見事にとらえています。余韻が美しく残る名作です。
鰍突く灯や浅川をひろげつつ
飯田蛇笏【現代語訳】鰍を突くための灯火が、浅い川のせせらぎを広く照らし出し、暗闇の中に川の広がりを浮かび上がらせている。【鑑賞】暗闇の中で松明やランプの灯りが移動するにつれて、川の様子が少しずつ浮かび上がってくる動的な視覚効果を「ひろげつつ」と表現しています。秋の夜川の冷ややかさと光の対比が鮮やかです。

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