貝細工草

貝細工草

かいざいく

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意味・由来

「貝細工草(かいざいくそう)」は、一般に「貝細工(かいざいく)」や「帝王貝細工(ていおうかいざいく)」、「麦藁菊(むぎわらぎく)」とも呼ばれるキク科の一年草で、秋の季語です。オーストラリア原産で、花びらのように見える総苞片(そうほうへん)が乾燥しており、光沢があって硬く、まるで貝殻を細工したような質感を持つことからこの名が付きました。赤、黄、ピンク、白など鮮やかな色合いの花を咲かせ、水分が抜けても色が褪せにくいため、古くからドライフラワーの定番として親しまれています。

この季語で詠むコツ

貝細工草の最大の特徴は、その独特な「カサカサとした乾いた質感」と「生花でありながらどこか作り物のような不思議な存在感」です。瑞々しさよりも、秋の澄んだ日差しの中で放つ硬質な輝きや、指で触れたときの感触・音に焦点を当てると詩情が際立ちます。また、長く咲き続ける様子や、そのままドライフラワーになっていく過程に、時の移ろいや秋の哀愁を重ねて詠むのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

・触感・状態を表す言葉:乾く、カサと、硬き、光沢、褪せぬ、軽し ・視覚・情景を表す言葉:秋日、ガラス窓、机上、花屋の店先、日輪、花壇 ・感情・情調を表す言葉:静けさ、懐かしき、色あざやか、変らざる

貝細工草」の俳句例 (3件)

貝細工いつぽん買ひて花街へ
長谷川双魚【現代語訳】貝細工の花を一輪買い求め、その足で華やかな花街へと向かっていく。 【鑑賞】乾いた質感を持つ素朴な貝細工の花を一輪だけ買って、歓楽街である花街へ足を踏み入れるという、大人の粋とどこか哀愁を含んだ風情が漂う一句です。
貝細工日輪のごと開きけり
詠み人知らず【現代語訳】貝細工の花が、まるで眩しい太陽のようにくっきりと咲き開いている。 【鑑賞】貝細工特有の硬く輝く花びらの広がりを「日輪(太陽)」に喩えた、格調高く鮮やかな句です。秋の澄み渡る日差しと花が響き合っています。
貝細工咲きて乾きし日和かな
山口青邨【現代語訳】貝細工が咲き、そのままからりと乾いていくような、心地よい秋晴れの日和であることよ。 【鑑賞】貝細工の乾いた質感と、秋特有のからりとした心地よい晴天(日和)を見事に取り合わせた一句。季節の空気感そのものが伝わってきます。

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