貝割れ菜

貝割れ菜

かいわれな

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意味・由来

「貝割れ菜(かいわれな)」とは、大根などの種子を密生させて発芽させ、双葉が開いたばかりの若芽を摘み取ったものです。開いた二枚の双葉が、まるで二枚貝が開いたような形に見えることからこの名がつきました。現在では一年中スーパーなどで手に入りますが、もともとは秋に蒔いた大根の芽生えを間引いて食用とした名残から、秋の季語とされています。独特のピリッとした爽やかな辛みと、みずみずしく繊細な緑の姿が特徴です。

この季語で詠むコツ

双葉の小さく愛らしい形状や、細く白い茎と緑の葉のコントラストなど、視覚的な美しさを捉えるのが基本です。さらに、噛んだときのシャキッとした食感や舌を刺激する辛味といった「味覚・触覚」に焦点を当てることで、より生々しく鮮やかな句になります。食卓の日常風景や、小さな生命力に対する静かな観察眼を意識して詠むと良いでしょう。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 色や姿を表す言葉:みどり、白き茎、双葉、水気(みずけ)、洗ふ、揃ふ
  • 味覚・感覚を表す言葉:舌を刺す、辛み、シャキッと、ほの苦し、瑞々し
  • 食卓・生活に関する言葉:箸、小鉢、掌(てのひら)、朝餉(あさげ)、夕餉

貝割れ菜」の俳句例 (3件)

貝割菜生きて舌刺す辛さかな
日野草城【現代語訳】貝割れ菜を口に運ぶと、まだ生きているかのように舌をピリリと刺す鮮烈な辛さであることよ。 【鑑賞】貝割れ菜の持つ独特のみずみずしい辛味を、「生きて舌刺す」という強い表現でダイナミックに捉えています。小さな若芽が秘めた生命のエネルギーと、それを味わう感覚の鋭さが際立つ名句です。
貝割菜箸にみどりのほつれけり
大野林火【現代語訳】貝割れ菜を箸でつまみ上げると、鮮やかな緑の双葉が一本だけふわりとほつれ出た。 【鑑賞】箸先でつまんだ貝割れ菜の繊細な様子を「みどりのほつれ」と詩情豊かに表現しています。小さな食卓のワンシーンでありながら、鮮やかな色彩感と静けさが美しく調和しています。
貝割菜きれいに洗ひそろへけり
長谷川零余子【現代語訳】貝割れ菜を水で綺麗に洗い流し、向きをそろえて美しく整えたことだ。 【鑑賞】調理の手元を素直かつ丁寧に写生した一句です。細く繊細な貝割れ菜を丁寧に水洗いし、茎をそろえる日常の細やかな動作から、台所の清潔感やみずみずしい秋の涼気が伝わってきます。

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