蜉蝣
autumn 生活

蜉蝣

かげろう

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意味・由来\n「蜉蝣(かげろう)」は、秋の季語です。春に地面から立ち上る揺らめく空気の「陽炎(かげろう)」とは異なり、こちらは昆虫の「カゲロウ」を指します。カゲロウの成虫は口を持たず、食事を一切摂らないまま、わずか数時間から数日という非常に短い寿命の中で交尾と産卵を終えて生涯を閉じます。その極めて短い命の営みから、古来より「はかなさ」や「無常観」の象徴として多くの歌や句に詠まれてきました。\n\n### この季語で詠むコツ\n蜉蝣を詠む際は、その「はかなさ」や「命の短さ」をただ嘆くのではなく、一瞬の生を懸命に生きる美しさや、自然の中に静かに消え去る諦念を写生することが大切です。夕暮れの水辺で群れをなして飛ぶ姿や、力尽きて草の葉に留まる様子など、具体的な情景描写を通じて命のあり方を表現すると共感を呼びやすくなります。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n- 水や流れを表す言葉(川面、水の上、せせらぎ)\n- 夕暮れや光を表す言葉(夕日、薄暮、灯火、薄陽)\n- はかない静物(草の葉、薄羽、風の跡)

蜉蝣」の俳句例 (3件)

蜉蝣のいづこに死ぬる夕日かな
加舎白雄【現代語訳】美しく照り映える夕日の中で舞う蜉蝣は、一体どこへ行って命を終えるのだろうか。\n【鑑賞】美しくも寂しい秋の夕暮れの中で、蜉蝣の極めて短い命に思いを馳せています。圧倒的な夕日の光と、極小の儚い命の対比が鮮やかで、深い余韻を残す名句です。
蜉蝣の何に死ぬらん草の葉に
与謝蕪村【現代語訳】草の葉の上で静かに死んでいる蜉蝣は、いったい何が原因で死んでしまったのだろうか。\n【鑑賞】外敵に襲われた形跡もなく、ただ静かに寿命を終えて草の葉に横たわる蜉蝣。そのあまりにも静かで、理不尽さのない自然の死を見つめる、作者の優しく切ない眼差しが感じられます。
蜉蝣のわが身をたどる羽の上
向井去来【現代語訳】蜉蝣が、透き通った自分の羽の上を、まるで自らの身を振り返り、見つめ直すかのようにそっと触れている。\n【鑑賞】自らの儚い運命を知ってか知らずか、繊細な羽を繕うような蜉蝣の仕草を「わが身をたどる」と表現した去来の主観が、繊細で深い情感を醸し出しています。

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