岩倉祭

岩倉祭

いわくらまつり

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意味・由来

「岩倉祭(いわくらまつり)」は、京都市左京区岩倉に鎮座する石座神社(いわくらじんじゃ)の例祭で、仲秋(現在では10月下旬)に行われる秋の季語です。古くから精神を病む人々の平癒を祈願する地としても知られた岩倉の里が、一年のうちで最も活気にあふれる伝統行事です。大松明に火が放たれて夜空を焦がす勇壮な火祭り神事や神輿渡御が行われ、京都洛北の静寂な山里が幻想的な炎と熱気に包まれます。深まりゆく秋の冷気と、燃え盛る火の対比が印象的な祭りです。

この季語で詠むコツ

山裾の冷え込みが増す洛北の気候と、祭りの灯火や賑わいとのコントラストを捉えるのが基本です。松明の爆ぜる音、火の粉が舞う夜空、太鼓や笛の囃子といった聴覚・視覚の描写を入れることで臨場感が生まれます。また、祭りが終わったあとに訪れる急激な静けさや、里を包む秋深まる寒冷(冷えや時雨)に焦点を当てることで、情趣あふれる深秋の哀愁を表現することができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 炎・光:大松明、火の粉、かがり火、提灯、闇
  • 気候・情景:山風、夜寒、秋時雨、洛北の山、静けさ
  • :神鳴子、太鼓、笛の音、足音

岩倉祭」の俳句例 (3件)

岩倉の祭過ぐれば時雨かな
富安風生【現代語訳】岩倉の祭りが終わると、いよいよ洛北の山里には初冬を告げる時雨が降る季節となるのだなあ。 【鑑賞】賑やかで熱気に満ちた岩倉祭をひとつの季節の境目とし、その後の冷え冷えとした時雨の情景へと焦点を移しています。祭りの喧騒が去った後の寂寥感と、京都の深まりゆく秋の実感を過不足なく捉えた名句です。
岩倉の祭明りの葛の葉に
森澄雄【現代語訳】岩倉祭の篝火や松明の明かりが、山裾に広がる葛の葉をほの白く照らし出している。 【鑑賞】祭りの炎そのものを直接詠むのではなく、道端や山裾の「葛の葉」に反射する祭明かりに視線を向けています。秋風に裏返る葛の葉の白い輝きが、山里の夜祭の幻想的な雰囲気を際立たせています。
岩倉の祭の夜の冷えにけり
星野立子【現代語訳】岩倉祭の夜の訪れとともに、山あいの冷気がぐっと肌にしみいるように冷え込んできた。 【鑑賞】祭りの熱気の中でふと気づく洛北特有の急激な冷え込みを、素直かつ写実的に詠み止めています。「冷えにけり」という率直な実感が、深まる秋の山里で行われる祭りの風情をありありと伝えています。

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