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「犬飼星(いぬかいぼし)」とは、七夕伝説でおなじみの「彦星(牽牛星・わし座のアルタイル)」の和名(古名・方言名)です。秋の夜空に明るく輝く主星の両脇に寄り添うように並ぶ二つの小星(β星・γ星)を、引き連れている2匹の「犬」に見立てたことからこの名がつきました。古代の人々の素朴で親しみ深い星空の観察眼が伝わる、初秋の天文を表す情緒豊かな季語です。
「彦星」や「牽牛」と呼ぶと七夕の恋の物語や中国の伝説の色彩が強くなりますが、「犬飼星」という名を使うことで、日本の農村の原風景や夜の静寂、素朴な生活感、親しみやすさを際立たせることができます。澄み始めた初秋の夜空の冷涼感や、田畑、川、風などの自然の気配と響き合わせるように詠むと、この言葉の持つ土の匂いと温かみが活きてきます。
・自然・風景:川音、夜風、虫の声、秋気、草の戸、露 ・生活・動作:見上ぐ、夜なべ、ともし火、歩む、琴、庭下駄 ・色彩・光感:澄む、青き光、あらはる、またたく
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