生玉祭

生玉祭

いくたままつり

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意味・由来

「生玉祭(いくたままつり)」は、大阪市天王寺区に鎮座する生國魂神社(いくくにたまじんじゃ、通称「生玉さん」)で行われる祭礼を指す季語です。現在は7月中旬に夏祭として盛大に行われていますが、旧暦時代には8月9日・10日に行われていたことから、伝統的な俳句歳時記では「秋」の季語として分類されています。難波大社とも呼ばれる生國魂神社は、上方町人文化や上方芸能(浄瑠璃、落語など)の発展と深く結びついており、祭りの賑わいとともに季節が秋へと移り変わる情緒を伝える季語として詠まれてきました。

この季語で詠むコツ

生玉祭を詠む際は、大阪の町を包む祭り特有の熱気や太鼓・囃子の響きを描写するだけでなく、「祭のあと」に訪れる秋の気配や涼風との対比を意識するのがコツです。神賑わいの高揚感と、祭りが終わったあとにふと覚える季節の移ろいや寂寥感を捉えることで、句に深い陰影と余韻が生まれます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・風・気候:「涼風」「秋の風」「夕暮」「初秋」 ・祭の情景:「太鼓」「神輿」「笛の音」「露店」「境内」 ・土地・情緒:「難波(なにわ)」「石段」「人波」「名残」

生玉祭」の俳句例 (3件)

いくたまの祭すまして涼風や
井原西鶴【現代語訳】生玉祭のすべての神事が終わり、ふっと心地よい秋の涼風が吹き抜けていくことだ。 【鑑賞】生國魂神社の境内で一昼夜四千句独吟を成し遂げた西鶴による、生玉ゆかりの一句です。祭りの華やかな喧騒が去ったあとに立ち現れる初秋の清々しい風を、実感豊かに捉えています。
生玉の祭過ぐれば秋の風
正岡子規【現代語訳】生玉祭が過ぎ去ると、いつの間にか吹き抜ける風も本格的な秋のものとなった。 【鑑賞】祭りの終わりをひとつの節目として、季節がはっきりと秋へと進む実感を描いた句です。平明な言葉の中に、年中行事と季節の推移が自然に重ね合わされています。
生玉の祭の太鼓澄みわたり
高浜虚子【現代語訳】生玉祭の鳴らす太鼓の音が、秋の澄みきった大気の中をどこまでも響き渡っていく。 【鑑賞】秋の澄んだ空気を背景に、力強く打ち鳴らされる祭太鼓の音の広がりを鮮やかに写生しています。聴覚を通じて秋の訪れと祭りの荘厳さを際立たせた一句です。

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