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蛇苺(へびいちご)は、初夏から夏にかけて野原やあぜ道、湿った日陰などに実を結ぶバラ科の多年草です。黄色い小さな花を咲かせたあとに、鮮やかな赤くて丸い実をつけます。普通の苺のように甘みはなく美味しくないため、「蛇が食べる苺」や「蛇が出そうな草むらに生える苺」という俗説からその名が付きました。毒はありませんが、どこか毒々しさや妖しさを感じさせる独特の赤色が印象的な季語です。
愛らしく艶やかな見た目と、「蛇」という名が持つ不穏さや野趣の二面性を意識して詠むのがポイントです。美味しく食べられる栽培の苺とは異なり、顧みられない野の草としての哀愁や、じめじめした日陰の情景、あるいは子どもの頃に草むらで見つけたときの好奇心や警戒心を掬い取ると良いでしょう。「赤」という色彩の強さを生かし、足元の薄暗さや周囲の緑と対比させると鮮明な映像になります。
・場所や環境:あぜ道、日陰、石垣、藪の端、湿地 ・感覚や質感:つぶつぶ、鮮やか、触れがたし、名ばかり ・取り合わせの季語(夏):夏草、青葉、梅雨晴間、蟻