花相撲

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意味・由来 「花相撲」とは、大相撲の本場所のような番付の昇進や勝敗を厳しく争うものではなく、地方巡業や神社の秋祭りなどの祭礼・奉納として行われる相撲のことです。「花」には祝儀や余興、華やかさの意味が込められており、勝ち負けの緊張感よりも親しみやすさや娯楽性が前面に出るのが特徴です。力士が笑顔を見せたり、禁じ手を面白おかしく実演する初切(しょっきり)が披露されたりと、力士と観客が和気あいあいと楽しむ秋の風物詩として愛されてきました。 ### この季語で詠むコツ 花相撲を詠む際は、本場所相撲の「殺気」や「緊迫感」とは対照的な「愛嬌」「のどけさ」「おおらかさ」に着目するのがポイントです。土俵上のユーモラスな仕草、負けても観客を沸かせる力士の笑顔、秋晴れの空に響く寄せ太鼓の音など、周囲の和やかな空気感を切り取ると季語の持ち味が引き立ちます。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ 相性のよい言葉としては、「愛嬌」「笑顔」「歓声」「大男」「幟(のぼり)」「秋晴(あきばれ)」「秋気(しゅうき)」などが挙げられます。秋晴れの澄んだ青空や、地方の神社・特設会場ならではの土と人の温もりを感じさせる言葉と組み合わせると、情感豊かな一句に仕上がります。

花相撲」の俳句例 (3件)

花相撲土俵の上の秋気かな
高浜虚子【現代語訳】花相撲が行われている土俵の上に、清々しく澄みわたった秋の気配が満ちていることだ。【鑑賞】巡業の華やかでどこかのどかな土俵に、初秋の心地よい風と涼気が漂っています。相撲の活気と秋の爽やかさ(秋気)が美しく調和した、格調高くも心地よい一句です。
負けてなほ愛嬌こぼす花相撲
正岡子規【現代語訳】勝負に負けてもなお、観客に愛嬌を振りまいて笑わせる花相撲の力士であることよ。【鑑賞】真剣勝負の本場所なら悔しさを滲ませるところを、余興の花相撲だからこそ負けても観客を喜ばせる力士のサービス精神とおおらかさを捉えています。花相撲の本質を軽妙に描いた名句です。
花相撲勝つて笑うて下りけり
阿波野青畝【現代語訳】花相撲で勝った力士が、にこにこと嬉しそうに笑いながら土俵を下りていった。【鑑賞】厳しい本場所の土俵では勝っても無表情を貫くのが力士の礼法ですが、花相撲では勝者が笑顔をそのまま見せて土俵を下りていきます。その飾らない素朴な人間味と会場の温かい雰囲気が生き生きと伝わってきます。

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