羣鳥羞を養ふ
autumn 動物

羣鳥羞を養ふ

ぐんちょうしゅうをやしなう

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意味・由来

「羣鳥羞を養ふ(ぐんちょうしゅうをやしなう)」は、二十四節気の「白露」の末候(9月中旬〜下旬頃)にあたる七十二候の一つです。「羣鳥」は群れ飛ぶ鳥たち、「羞(しゅう)」は「ごちそう」や「食べ物」を意味します。秋が深まるにつれ、山野の鳥たちが冬を越すために木の実などの餌をたくさん食べたり、巣に蓄えたりし始める自然の営みを表した季語です。実りの秋の豊かさと、迫り来る寒冷の季節への準備という、季節の移ろいを感じさせます。

この季語で詠むコツ

文字数が長く漢語的な重みがある季語のため、下五に置くか、上五・中七で自然の情景をすっきりと描写して全体のバランスをとるのがポイントです。実際に鳥たちが忙しそうに木の実を啄む姿や、夕暮れの空を群れをなして飛ぶ羽音、山の木々が色づき始める様子などを具体的に描くと、季語の持つ生命感や切なさが引き立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・実りに関する言葉(木の実、団栗、茱萸、桑の実、稲穂など) ・時間や空模様(夕茜、夕日、朝霧、山風、空澄むなど) ・鳥の動きや音(啄む、群れ飛ぶ、羽音、囀り、梢など)

羣鳥羞を養ふ」の俳句例 (3件)

群鳥の羞を養ふ梢かな
長谷川零余子【現代語訳】群がる鳥たちが冬に備えてせっせと餌を啄んでいる、秋の木々の梢であることよ。 【鑑賞】色づき始めた木々の梢に目を向け、小鳥たちが冬支度にいそしむ姿を素直に捉えた一句です。秋の豊かな実りと、鳥たちの本能的な活気を感じさせます。
羞を養ふ群鳥鳴きて夕づきぬ
阿部みどり女【現代語訳】冬越しの餌を蓄えようと鳥たちが賑やかに鳴き交わすうちに、あたりはすっかり夕暮れていった。 【鑑賞】鳥たちの忙しない鳴き声と、急速につるべ落としに暮れていく秋の夕景の対比が見事です。どこか寂しげな秋の気配が美しく表現されています。
養羞の鳥飛び交ふや木曽の谷
詠み人知らず【現代語訳】冬の蓄えを求める鳥たちが忙しく飛び交っている、ここ木曽の深い谷間よ。 【鑑賞】山深き木曽路の谷を背景に、実りを求めて乱舞する鳥たちの生命力を立体的に描いた格調高い句です。秋の澄んだ空気感と自然の力強さが伝わってきます。

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