胡麻殻
autumn 生活

胡麻殻

ごまがら

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意味・由来

胡麻殻(ごまがら)」とは、秋に胡麻の実(種子)を叩き落として収穫した後に残る、枯れた茎や莢(さや)のことです。乾燥した胡麻殻は非常に軽く、風に吹かれるとカラカラと乾いた音を立てます。また、油分をわずかに含んでいるため火付きが良く、昔の農村では焚き付けや燃料として重宝されました。野原や庭先で胡麻殻を焚くときの白い煙や独特の香ばしい匂い、畑の隅に束ねて立てかけられた姿は、晩秋の寂寥感や農村の生活感を色濃く伝える風物詩です。

この季語で詠むコツ

胡麻殻を詠む際は、視覚だけでなく「音」「匂い」「触覚(乾き具合)」など五感を働かせることがポイントです。畑に円錐状に立てかけられた姿から深まる秋の静けさを表現したり、焚き火の煙が夕暮れの空にたなびく情景を描いたりすると情緒が生まれます。実を採り終えた後の「役目を終えた枯淡の風情」や、夕暮れの寂しさと結びつけると、深みのある句になります。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 動作・状態:焚く、束ねる、乾く、崩る、からからと、煙る
  • 情景・時間帯:夕日、日暮れ、夕煙、野道、畑、秋風、暮色
  • 感覚表現:匂ひ、香ばし、白し、軽し、寂し

胡麻殻」の俳句例 (3件)

胡麻殻を焚くや夕日の立ち戻り
正岡子規【現代語訳】胡麻殻を焚いていると、沈みかけていた夕日が雲の切れ間から再びぱっと照り返してきたことだ。【鑑賞】畑で胡麻殻を燃やす煙と、再び射し込んできた鮮やかな夕日との対比が印象的な句です。秋の夕暮れの束の間の明るさと、農作業を終える安堵感が鮮やかに切り取られています。
胡麻殻を焚く煙かな里の秋
高浜虚子【現代語訳】胡麻殻を焚く煙がゆったりと立ちのぼっている。これこそがまさに農里の秋の風情であるなあ。【鑑賞】虚子らしい平明で力強い叙景句です。立ちのぼる煙の香りと静かな村里の佇まいを通して、深まりゆく秋の情景を過不足なく描き出しています。
胡麻殻を焚く火明りに夜となりぬ
飯田蛇笏【現代語訳】胡麻殻を燃やす火の明るさの中にいるうちに、いつしかあたりはすっかり夜になってしまった。【鑑賞】パチパチと燃える胡麻殻の火の赤さと、周囲を取り囲む急速な夜の闇の対比が際立つ一句です。甲斐の自然と農の暮らしに根ざした蛇笏ならではの、重厚で静謐な秋の夜が描かれています。

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