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藤豆(ふじまめ)は、マメ科のつる性一年草で、初秋に藤の花に似た白や淡い紅紫色の蝶形花を咲かせ、やがて平たく幅の広い湾曲した莢(さや)を結ぶ植物です。莢や熟した豆は食用とされ、古くから庶民の庭先や畑の垣根、棚などに植えられて親しまれてきました。江戸時代に隠元禅師が日本にもたらしたとも言われ、関西などではインゲンマメと呼ばれることもあります。花と実が同時期に見られることが多く、素朴で温かみのある生活感や、初秋から晩秋へと移ろう季節の風情を象徴する季語です。
藤豆を詠む際は、家庭菜園や民家の軒先、竹の棚といった「身近な生活風景」と結びつけると、季語の持つ素朴な味わいが引き立ちます。また、藤に似た可憐な花と、下垂するユニークな形の莢が同時に棚からぶら下がっている様子に着目するのも効果的です。晩夏から秋への光の移ろい、夕暮れの静けさ、秋風に揺れる莢の重みやかすかな擦れ合う音など、視覚だけでなく触覚や聴覚を交えて情感を深めるとよいでしょう。
・風景・場所:垣根(かきね)、軒端(のきば)、豆棚(まめだな)、小家(こいえ)、古簾(ふるすだれ) ・状態・動き:垂る(たる)、揺るる(ゆるる)、花こぼる、実入る(みいる) ・時間・天候:秋日(あきひ)、夕影(ゆうかげ)、秋の雨(あきのあめ)、小春(こはる)
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