道元忌

道元忌

どうげんき

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意味・由来

「道元忌(どうげんき)」は、鎌倉時代の禅僧で日本曹洞宗の開祖である道元禅師の命日(旧暦8月28日、新暦では9月29日)を指す仲秋の季語です。道元は越前(福井県)の深山に大本山永平寺を開き、ひたすら座禅に打ち込む「只管打坐(しかんたざ)」の教えを説きました。その主著『正法眼蔵』に代表される厳格で澄み切った仏法哲学は、今なお多くの人々に深い感銘を与え続けています。俳句においては、単なる法要の日の意味を超え、秋の深まりとともに感じられる静謐な気配や、張り詰めた精神性を表現する季語として重んじられています。

この季語で詠むコツ

道元忌を詠む際は、道元禅師のストイックな禅の精神や、永平寺を取り巻く森厳な自然環境(鬱蒼とした杉木立、湧き出る清流、冷気など)を連想させる情景と響き合わせるのが効果的です。単に寺院の行事を描写するだけでなく、日常のふとした動作(歩く、座る、水を汲むなど)に宿る「凛とした静けさ」や「心の研ぎ澄まされ方」を捉えると、季語の持つ深みが際立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・自然・環境:杉木立、大杉、清水、渓流、木漏れ日、苔、秋気、霧、深山 ・寺院・禅の意匠:山門、回廊、梵鐘、石畳、箒目(ほうきめ)、袈裟、座禅 ・五感・情緒を表す言葉:澄む、清ら、静寂、厳か、水音、冷ややか、無一物

道元忌」の俳句例 (3件)

道元忌山河もとよりみ寺にて
水原秋櫻子【現代語訳】今日は道元忌である。振り返れば、目の前に広がる大自然の山や川そのものが、本来道元禅師の修行された御寺そのものであったのだ。 【鑑賞】道元の「山水経」の思想を踏まえ、山河草木すべてが仏の教えそのものであるという深遠な禅の境地を、澄み切った秋の景観とともに詠み上げた名句です。
道元忌水澄みわたり石澄めり
大峯あきら【現代語訳】道元忌の今日、渓流の水はどこまでも澄みわたり、その水底に沈む石までもが清らかに澄みきっている。 【鑑賞】哲学者であり僧侶でもあった作者ならではの、徹底的に研ぎ澄まされた視線が光る一句です。「澄み」の反復が、秋の冷気と道元の厳格な精神世界の純粋さを余すところなく伝えています。
道元忌杉の梢に天ありて
有馬朗人【現代語訳】道元忌の静寂の中、高くまっすぐに伸びる杉の梢の遥か上に、澄みわたる秋の青空が広がっている。 【鑑賞】永平寺の象徴でもある天を衝く巨杉を見上げる構図です。木立の暗がりと梢の先の明るい天とのコントラストが、俗世を離れて真理を求めた禅の高潔な境地を想起させます。

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