葡萄酒醸す

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ぶどうしゅかもす

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意味・由来\n「葡萄酒醸す(ぶどうしゅかもす)」は、秋に収穫された葡萄を破砕・圧搾し、酵母の力で発酵させてワイン造りを始める情景を表す仲秋から晩秋の季語です。近代以降、山梨県(甲州)をはじめ全国各地でワイン醸造が盛んになったことに伴い、生活や産業に根ざした季語として詠まれるようになりました。秋の恵みである葡萄が、職人の手と自然の営みによって芳醇な美酒へと生まれ変わる、活気と神秘性に満ちた季語です。\n\n### この季語で詠むコツ\n醸造蔵(ワイナリー)に漂う甘酸っぱく濃厚な発酵の匂い、樽の中でぷつぷつと微かに立つ気泡の音、果汁で紫色に染まった職人たちの手先や前垂れなど、五感を総動員して捉えるのがコツです。また、葡萄畑が広がる盆地や山麓の澄んだ秋空、立ち込める霧といった背景の自然景観と組み合わせることで、土地の風土感(テロワール)が鮮やかに立ち上がります。\n\n### 相性のいい言葉・取り合わせ\n・視覚:紫(むらさき)、樽(たる)、木桶、茜雲、山脈、霧、蔵の暗がり\n・嗅覚・聴覚:芳香、発酵の息吹、微かな音、泡立ち、立ちのぼる香り\n・情景・風土:甲斐の国、丘陵、夕日、夜気、職人の手、冷えゆく夜

葡萄酒醸す」の俳句例 (3件)

葡萄酒を醸すや霧の深き夜を
野見山朱鳥【現代語訳】葡萄酒を醸造している蔵の外には、秋の深い霧が静かに立ち込める夜が広がっている。\n【鑑賞】しんとした霧の夜気と、蔵の中で人知れず進む発酵の神秘的な熱気が見事に対比されています。濃い霧に包まれた静寂の中で、果汁がじっくりと酒へと変貌していく生命の神秘を感じさせる名句です。
葡萄酒を醸す山脈青く澄み
古賀まり子【現代語訳】葡萄酒が仕込まれている里の向こうに、秋晴れの山脈が青々と澄みわたって連なっている。\n【鑑賞】甲斐の山並みのような雄大な自然と、その麓で営まれるワイン造りの風情を大らかに捉えています。澄み切った秋の空気感と、新酒の誕生を待つ清々しい高揚感がストレートに伝わってきます。
葡萄酒を醸す一村霧こもり
有馬朗人【現代語訳】葡萄酒の仕込みの季節を迎え、村全体が深い秋の霧の中にすっぽりと包まれている。\n【鑑賞】「一村」という把握によって、集落全体がワイン造りの芳香と熱気で満たされている様子を描き出しています。漂う霧が葡萄酒の甘い香りを閉じ込めているかのような、風土の詩情が漂う一句です。

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