青松笠

青松笠

あおまつかさ

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意味・由来

「青松笠(あおまつかさ)」は、まだ木質化して茶色く開く前の、みずみずしく青緑色をした松ぼっくりのことです。松の実は春に受粉し、翌年の秋にかけて実を結びます。晩夏から秋にかけてしっかりと実を太らせ、松脂を含んでずっしりとした重みを持つ青松笠は、秋の訪れを静かに告げる風情ある季語です。硬く閉じた鱗片の幾何学的な美しさや、青々とした力強い生命感が特徴です。

この季語で詠むコツ

成熟して落ちた茶色の松ぼっくりの「軽やかさ」「枯淡さ」とは対照的に、青松笠は「青さ」「重さ」「硬さ」「みずみずしさ」を持っています。木からぽとんと音を立てて落ちる重量感や、松脂のつや、秋晴れの光を弾く様子、梢を吹き抜ける秋風とのコントラストなどを五感(視覚・触覚・聴覚など)を働かせて描写すると、季語の鮮度が一層際立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・質感や色彩:青み、松脂(まつやに)、濡れ色、硬き、艶やか ・動きや音:落ちくる、水尾(みお)、波音、ずしりと、風の音 ・情景:松原、砂浜、古刹(寺社)、波頭、秋晴、梢

青松笠」の俳句例 (3件)

青松笠まだ重たきが落ちて来し
高浜年尾【現代語訳】まだ水分と松脂を含んでずっしりと重い青い松笠が、木から落ちてきたことだ。【鑑賞】乾燥して軽くなった茶色い松笠とは異なり、まだ木質化していない青松笠特有の「重み」に着目した写生句です。落ちた時の鈍い音や、手のひらに乗せたときの確かな質感が読者にも生き生きと伝わってきます。
青松笠水落ち合ふに落ちて来し
清崎敏郎【現代語訳】まだ青い松笠が、水の流れと流れが合流する場所に、ぽとんと落ちてきたことだ。【鑑賞】水流の合流点という動きのある空間に、ずっしりとした青松笠が落ちる瞬間を的確に捉えた句です。「落ち合ふ」と「落ちて来し」という言葉の重なりが、偶然の出会いの妙と秋の静寂の中の確かな運動感を鮮やかに表現しています。
水の上に青松笠の落つる音
飯田蛇笏【現代語訳】水面に青い松笠が落ちる、澄んだ音が響いている。【鑑賞】秋の山気や水辺の澄み切った静けさを、青松笠が水に落ちる「音」一つで描き出した名句です。青く硬い実が水面を叩く鋭い響きが、辺りの静寂と秋の深まりをより一層際立たせています。

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