青匏

青匏

あおふくべ

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意味・由来

「青匏(あおふくべ)」とは、初秋に実を結ぶ、まだ熟しきっていない青々とした夕顔や瓢箪(ひょうたん)の実のことです。「匏(ふくべ)」は古くからウリ科の果実全般や、それをくり抜いて作った器を指しますが、「青」を冠することで、加工前の瑞々しく生命力にあふれた実を表現します。晩夏から初秋にかけて、棚や蔓(つる)からどっしりと垂れ下がる姿は、どこか愛嬌があり、秋の訪れと豊かな実りを実感させる季語として古くから親しまれてきました。

この季語で詠むコツ

「青匏」を詠む際は、その独特の丸みを帯びた形状や、ずっしりとした「重み」に着目するのがポイントです。棚からぶら下がる様子、蔓が実の重さに耐えてしなる姿、雨や露に濡れて青さを際立たせる質感などを具体的に描写すると、生き生きとした実感が伝わります。また、完全に乾燥して器になる前の「未熟な青さ」や「野趣あふれる風情」を捉え、素朴な農村の風景や日々の暮らしと結びつけるのも効果的です。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 形状・重量感を表す言葉:重し、ぶらりと、丸々、しなる、揺るる、ふとる
  • 情景・背景を表す言葉:棚、蔓(つる)、葉陰、秋風、夕日、夜雨、藁屋根
  • 動作・五感:見上ぐる、撫づ、露けし、緑深し

青匏」の俳句例 (3件)

青匏棚の隙ゆく月夜かな
与謝蕪村【現代語訳】青々と実った匏がぶら下がる棚の隙間を、澄んだ秋の月が照らしながら静かに通り過ぎてゆく月夜であることよ。 【鑑賞】青匏がぶら下がる棚の葉や蔓の隙間から、冴えた月光が差し込む美しい夜景を詠んだ句です。青匏の素朴でどっしりとした存在感と、月光の幽玄な美しさが絶妙に対比されています。
青匏のぶらりと下る棚低し
正岡子規【現代語訳】青い匏の実がぶらりと垂れ下がっており、その棚の高さはずいぶん低く作られていることだ。 【鑑賞】目の前のありのままの風景を写生した子規らしい句です。頭に触れそうなほど低い棚に「ぶらり」と下がる青匏の重みと、のどかな庭先の情景が親しみやすく素直に描かれています。
青匏や夜雨に太る棚の下
水田正秀【現代語訳】青匏が実る棚の下で眺めていると、夜に降る秋雨の恵みを受けて、実がいっそう丸々と太っていくようだ。 【鑑賞】夜のしっとりとした雨音と、雨を吸って育つ植物の瑞々しい生命力を捉えた一句です。「夜雨に太る」という表現によって、青匏の力強く豊かな成長ぶりが実感できます。

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