秋鵜飼

秋鵜飼

あきうかい

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意味・由来

「秋鵜飼(あきうかい)」とは、秋の季節に行われる鵜飼のことです。一般に鵜飼といえば夏の風物詩(夏の季語)として親しまれていますが、岐阜の長良川をはじめとする各地の鵜飼は10月中旬ごろまで行われます。夏の鵜飼が持つ華やかさや賑やかさに比べ、秋鵜飼は川風の冷たさや夜の深まり、シーズンの終わりを告げる哀愁や寂寥感が色濃く漂うのが特徴です。燃え盛る篝火(かがりび)の明かりと、黒々と横たわる秋の冷たい川水との対比が際立ちます。

この季語で詠むコツ

夏の鵜飼との差異を意識することが最大のポイントです。夏の「涼しさ」「熱気」「水しぶき」に対して、秋鵜飼では「川風の冷え」「水の深さや静けさ」「篝火の火の粉の儚さ」「季節の去りゆく名残惜しさ」といった陰翳や静寂を捉えると効果的です。視覚的な火と水、闇のコントラストに加えて、肌に感じる温度や瀬音の響きを盛り込むと、秋ならではの風情が引き立ちます。

相性のいい言葉・取り合わせ

・冷え、肌寒、秋風、瀬音、川霧、川瀬 ・篝火、火の粉、漆黒、闇、水尾(みお) ・名残、果て、更くる夜、深み

秋鵜飼」の俳句例 (3件)

秋の夜の鵜飼も見えず篝のみ
正岡子規【現代語訳】秋の夜の鵜飼は、暗闇のなか鵜や鵜匠の姿も見えず、ただ篝火の赤さだけが浮かび上がっている。 【鑑賞】夏の鵜飼の賑やかさとは異なり、秋の夜の深い静寂と闇を捉えた一句です。視界には篝火の光だけが切り取られ、秋の訪れによる肌寒さと寂寥感が際立っています。
秋鵜飼篝の火粉水に消え
水原秋桜子【現代語訳】秋の鵜飼の篝火から舞い散る火の粉が、冷たい川面に落ちて一瞬で消えてゆく。 【鑑賞】燃える篝火と冷ややかな秋の川水との対比を、落ちる火の粉の儚さに凝縮して描いた名句です。秋の夜の澄んだ空気感と、終わりゆくものへの哀愁が美しく表現されています。
秋鵜飼川の深みを篝ゆく
山口誓子【現代語訳】秋の鵜飼舟が、川の深く淀んだ場所へと篝火を灯しながら進んでゆく。 【鑑賞】「川の深み」という描写が、秋の水の冷たさと底知れぬ暗闇を連想させます。闇の深さと篝火の進む動的な情景が、研ぎ澄まされた視線で鮮やかに切り取られています。

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