秋の湊

秋の湊

あきのみなと

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意味・由来 「秋の湊(あきのみなと)」とは、秋の季節における港や船着き場の風景を指す三秋の季語です。湊(港)は船が行き交い、人や荷が集まる活気ある場所ですが、秋になると澄み渡る空気とともに水面が冷やかに映り、夕暮れの早さや吹き抜ける秋風がどこか旅愁や寂寥感を漂わせます。古来より湊は旅立ちや別れの象徴でもあり、秋の訪れによる哀愁と港の景観が結びついて、叙情味豊かな季語として愛されてきました。 ### この季語で詠むコツ 秋の澄んだ光や冷たい風、潮の満ち引き、停泊する船の様子などを具体的に捉えるのがポイントです。春や夏の賑やかな港とは異なり、船が夕暮れ時に港へ戻る安堵感や、出船を見送る孤独感、水鳥の佇まいなど、「静けさ」「冷涼さ」「哀愁」を意識して描写すると季語の持つ情緒がぐっと深まります。 ### 相性のいい言葉・取り合わせ ・光や時間帯を表す言葉:「入日(夕日)」「夕月」「暮色」「灯(ともしび)」など ・港の景物:「小舟」「帆」「波音」「碇」「水鳥(鷗・千鳥)」など ・情感を深める言葉:「静けさ」「潮風」「遠き」「別れ」など

秋の湊」の俳句例 (3件)

帆を巻いて秋の湊に入りにけり
正岡子規【現代語訳】帆を下ろして畳みながら、船が秋の港へと静かに入ってきたことだよ。【鑑賞】夕暮れ時、航海を終えた船が港に入り帆を収める様子を描いた一句。「帆を巻く」という動作によって動から静への変化が鮮やかに捉えられており、秋の港ならではの冷涼さと安堵感が巧みに表現されています。
秋の湊鷗浮きつつ暮れにけり
水原秋桜子【現代語訳】秋の港の水面にカモメたちが浮かびながら、静かに日が暮れていったことだ。【鑑賞】夕暮れの港の静寂をカモメの姿とともに捉えた叙情的な名句です。冷えゆく波間に浮かぶ白いカモメと、次第に色を失っていく港のコントラストが、深まりゆく秋の哀愁を際立たせています。
秋の湊月を待つ舸のともしびか
飯田蛇笏【現代語訳】秋の港で、月の出を待っている舟にぽつりと灯りがともったのだろうか。【鑑賞】「舸(こ)」は舟のこと。夜を迎えつつある秋の湊で、船上にともる小さな灯火に焦点を当てています。澄み切った秋の夜空に昇る月を待つ時間の静けさと、水辺の凛とした冷気が情緒豊かに描き出されています。

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