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「藜(あかざ)」は、道端や空き地、荒地などに自生するヒユ科(旧アカザ科)の一年草です。春から夏にかけて伸びた茎は秋になると木質化して硬くなり、秋の深まりとともに葉の脇や枝先に小粒の粒状の実をびっしりと房状につけます。やがて実が熟すとパラパラと地面にこぼれ落ちます。雑草としての力強い生命力と、秋が深まるにつれて枯淡の風情を帯びていく素朴な姿が古くから親しまれ、秋の季語として詠まれてきました。
「藜の実」は華やかさとは対極にある、寂びた風情や晩秋の荒涼感を表現するのに適した季語です。実そのものが非常に細かく地味であるため、単に「実が成っている」と述べるだけでなく、実に群がる小鳥(雀や山鳩など)の動き、実がこぼれ落ちるかすかな気配や土の乾き具合など、五感を使った細やかな観察(写生)を取り入れると生き生きとした句になります。
・動植物:小鳥、雀、土鳩、枯葉、野道、庭先 ・情景・動作:こぼるる(零るる)、ついばむ(啄む)、乾く、荒るる、風、日和 ・感覚・心情:静けさ、日のぬくもり、寂寥、素朴、日差し
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