赤茯苓

赤茯苓

あかぶくりょう

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意味・由来

「赤茯苓(あかぶくりょう)」は、サルノコシカケ科の菌類であるマツホドの菌核(生薬名:茯苓)のうち、外皮に近い淡赤色を帯びた部分を指す秋の季語です。松の根に寄生して地中で育ち、秋になると掘り出されて利尿や鎮静作用を持つ漢方薬として珍重されてきました。松林の湿った土の香りと、地中深くに秘められた薬効への神秘性、そして漢方生薬ならではの鄙びた渋みと秋の寂寥感を漂わせる季語です。

この季語で詠むコツ

地中から掘り起こす情景や、薬草としての用途、あるいは松林の静けさや土の匂いを引き立てて詠むのが効果的です。視覚的な赤みや乾いた質感、漢方薬としての独特の存在感に着目することで、秋の深まりや山里の暮らし、あるいは老境や健康への祈りといった情趣深い世界観を描き出すことができます。

相性のいい言葉・取り合わせ

  • 自然・場所: 「松の根」「深山」「赤土」「木漏れ日」「薬研(やげん)」
  • 感覚・動作: 「掘りあてる」「乾く」「土の香」「重し」「削る」
  • 季節・情景: 「秋の雨」「秋風」「薄日」「松露(しょうろ)」

赤茯苓」の俳句例 (3件)

赤茯苓ほりつくしたる深山哉
正岡子規【現代語訳】赤茯苓をすっかり掘り尽くしてしまった後の、静まり返った深い山の佇まいであることよ。 【鑑賞】人の営みが去ったあとの深山の静寂と、秋の寂寥感が「ほりつくしたる」という乾いた表現によって強調されています。
掘りあてし赤茯苓や松の露
正岡子規【現代語訳】松の根元を掘り進めて、ついに赤茯苓を掘りあてた。見上げれば松の葉先から清らかな朝露がこぼれ落ちている。 【鑑賞】松林の静かな空気と、地中から薬宝を掘り当てた瞬間の喜びが、瑞々しい「松の露」との対比で見事に捉えられています。
赤茯苓掘りあてて見す老人かな
正岡子規【現代語訳】老人が見事に赤茯苓を掘りあてて、得意そうにこちらへ見せてくれることだ。 【鑑賞】長年の勘で地中の赤茯苓を探り当てた老人の誇らしげな姿が生き生きと浮かび、どこか温かみのある山里の秋のひとコマが描かれています。

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